柱暦[語句情報] »
柱暦
「柱暦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柱暦の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
丈夫ですか?」
そんな対話を聞きながら、巻煙草を啣《くわ》えた洋一は、ぼんやり
柱暦《はしらごよみ》を眺めていた。中学を卒業して以来、彼には何日《なんにち》と云....
「星座」より 著者:有島武郎
な気持で、きちんと整頓《せいとん》されたその茶の間を眼早く見まわした。時計の下の
柱暦に小母さんとおぬいさんとの筆蹟《ひっせき》がならんでいるのも――彼が最初にそ....
「B教授の死」より 著者:寺田寅彦
S軒のB教授の部屋の入り口の内側の柱に土佐特産の尾長鶏の着色写真をあしらった
柱暦のようなものが掛けてあった。それも宮の下あたりで買ったものらしかったが、教授....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
る条件はないのですもの。
十三日の手紙。
カレンダーと云えばね、今あるような
柱暦、今年はないかもしれないのですって、実に不便ね。私は月めくりを茶の間の柱の時....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
。 二 ちょうど同じ日のことであった。 葛飾北斎は江戸の町を
柱暦を売り歩いていた。 北斎といえば一世の画家、その雄勁の線描写とその奇抜な取....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
た。土間の古釘や木片にまじって小さな紙玉がひとつ落ちている。皺をのばして見ると、
柱暦からひきちぎった紙で、櫛から拭きとった女の長い髪が十本ほど丸めこまれてあった....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
の家の、何がなし手垢の染みたような感じが、哀しかった。 清子は立って外し忘れた
柱暦を一枚めくった。それからまた立って行って、玄関にたった一つ残っている白いセト....
「現下文壇と探偵小説」より 著者:平林初之輔
進んでいった。とうとう時計は真夜中の十二時をうった。その時話し手は、うしろにある
柱暦を一枚めくって、「今日は四月一日だね」というのがあった。むろん四月一日といえ....