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「柳屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

柳屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年時代」より 著者:幸田露伴
が始まるので、非常に朝早く起きて稽古に行ったものです。ところが毎朝通る道筋の角に柳屋という豆腐屋がある、其処の近所に何時も何時も大きな犬が寐転んで居る。子供の折....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
がある。それはこの小説の胚胎せられた一|夕の事。もう十二年|前である、相州逗子の柳屋という家の間を借りて住んでいたころ、病後の保養に童男一人連れて来られた婦人が....
栃の実」より 著者:泉鏡花
武生に着いたのであった。――誰もいう……此処は水の美しい、女のきれいな処である。柳屋の柳の陰に、門走る谿河の流に立つ姿は、まだ朝霧をそのままの萩にも女郎花にも較....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
閉まっていて、電灯が暗くて商売はしているのかいないのか疑わしい体裁でした。それが柳屋という美術店と向き合っているので、誰かが柳屋の向かいだから幽霊屋ではないかな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たら御城代様か御支配様あたりのお微行《しのび》かも知れないよ。早く行っておいで、柳屋に待っていらっしゃると御家来衆がお沙汰に来て下すったんだから」 「お伺いしな....
丹下左膳」より 著者:林不忘
泰軒先生の姿が見えない! つづみの与吉、しめたッ! とばかりにいきなり眼の前の柳屋と行燈をあげたはたごへ飛びこんだ。 「いらっしゃいまし――お早いお着きでござ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
生源三郎と名乗って丹波とのあいだに問答のあったのを聞いていますから、 「玉屋ア!柳屋ア! 柳屋ア!」 と即座の思いつき……四方八方から、さかんに声がかかる。 ....
真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
郎が入れ代って答えた。「奥野の旦那がお引揚げになってから、わたくしは亀屋のそばの柳屋という家に張込んでいました、伊八の奴はそこへたびたび飲みに行くことを聞いたか....
余齢初旅」より 著者:上村松園
へん楽しそうにしておられた。 やがてその兵隊さんの案内で舟に乗って揚州に行き、柳屋という宿屋へ着いた。 ここでは駅長さんがいろいろと心配してくれた。私は現代....
円朝花火」より 著者:正岡容
ろ舟、影絵舟まで、花火のたんび、紅緑青紫と塗られていく。万八、河長、梅川、亀清、柳屋、柏屋、青柏、大中村と、庇を連ねた酒楼《おちゃや》でも、大川筋へ張り出した桟....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
、のちに私は小説「圓朝」へ写した。 ここにいるうちに前年面識のあった大阪島の内柳屋画廊の女店員でAという娘と文通しだし、家庭生活に絶望していた私は、西下して忍....
三枚続」より 著者:泉鏡花
水引のかかった進物の包であった。 今こそ人形町の裏通に母親と自分と二人ぐらし、柳屋という小さな絵草紙屋をしているけれども、父が存生の頃は、隅田川を前に控え、洲....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、熟と瞻ってて、 「や、」帽子の下で膝をはたり。 「人形町においでなすった、――柳屋のお夏さん。」 「今日は、今日ア、」 かみさんが、 「ああい、」といって、....
日和下駄」より 著者:永井荷風
中の冠《かん》たるものといわねばならぬ。明和《めいわ》のむかし、この樹下に楊枝店柳屋《ようじみせやなぎや》あり。その美女お藤《ふじ》の姿は今に鈴木春信一筆斎文調....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
を怨む枯柳が殆ど枝ばかりで垂れている傍に、千客万来と記した角行燈を懸けて、暖簾に柳屋と染め抜いた小料理屋があった。雪国の習で、板葺の軒は低く、奥の方は昼も薄暗い....