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柳樽
「柳樽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柳樽の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
敷の牢屋で。薬飲むにも油断がされぬと。(註に曰く――座敷牢薬をのむに油断せず――
柳樽――)御座りまするはお江戸の昔じゃ。況して況んや近代文化の。科学知識の進歩の....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
疑われる、むしろ無気味なものであった。 座の一隅には矮い脚を打った大きな折敷に
柳樽一|荷置かれてあった。客が従者に吊らせて来て此処へ餉ったものに相違無い。 ....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
る、早速書きましょう、えゝ目録は何で、帯代が三十両、宜しい、昆布、白髪、扇、※、
柳樽宜しい」 と無闇に書立て、粥河圖書の眼の前で名前を書いて彼方へ此方へと遣取....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ばつまらねえんでございます。いかがでございます、時々は狂歌、都々逸《どどいつ》、
柳樽《やなぎだる》の類《たぐい》をおやりになっては。ああいったものをやりますと、....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
官が土産を持って来ると、すぐにその一部を土岐への音物《いんもつ》にした。斎藤にも
柳樽《やなぎだる》に瓦器盛りの肴を添えて送ることもある。雉《きじ》に葱《ねぎ》を....
「妖怪学」より 著者:井上円了
と思わる。すなわち、結納の目録に、昆布を「子生婦」と書し、鯣を「寿留女」と書し、
柳樽を「家内喜多留」と書するの類は、みな文字によりて祝する縁起なり。また結納の文....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と、駕屋の足音も一種の諧調をもって気持よく聞こえる。 四ツ手駕月の都をさして駈け
柳樽にこんな句があったことを源内は思い出していた。 「旦那」 走りながら後棒が....
「下頭橋由来」より 著者:吉川英治
い彼女の沈んでいることが、気懸りでもあり、不足でもあった。 島台、紅白の縮緬、
柳樽、座敷は彼女の祝い物で一杯だった。家族たちは、毎晩のように、忙しげに、夜を更....
「脚」より 著者:吉川英治
土台も腐りかけている古い御家人屋敷へ、積みこまれた。師の伊能矢柄や、同門からも、
柳樽が届いた。 「めでたい」 と、みんないった。 娘付きで、祖先からの士格を....