柴の戸[語句情報] »
柴の戸
「柴の戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柴の戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青衣童女像」より 著者:寺田寅彦
る。この版画の油絵はたしかに一つの天啓、未知の世界から使者として一人の田舎少年の
柴の戸ぼそにおとずれたようなものであったらしい。 当時は町の夜店に「のぞきから....
「向嶋」より 著者:永井荷風
ら》なれるが見えたる。 一、日ごろは打絶えたる人の花に催されてなど打興じながら
柴の戸を排《ひら》き入り来りたる。 一、裏道づたひいづくへともなく行くに、いけ....
「法然行伝」より 著者:中里介山
かりそめの色のゆかりの恋にだに あふには身をもをしみやはする 勝尾寺にて
柴の戸にあけくれかかる白雲を いつむらさきの色にみなさむ 極楽往生の行業....
「三国志」より 著者:吉川英治
林間の細道をなお進んでゆくと、朗々読書の声がする。 「はて? ……こんな山中に」
柴の戸を排して、庵の中をうかがってみるに、まだ三十前後の一処士、ただひとり浄几の....
「三国志」より 著者:吉川英治
ていたので、立ち寄って一飯一宿の恩を乞うと、 「さあ、どうぞ」と、ひとりの老翁が
柴の戸をあけて内なる一堂へ導いた。あっと、関興はそこに立つや否、愕いて拝伏した。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
原の深山の中に庵して住み侍りける谷間の月をみて〔李花集雑〕 いづ方も 山の端近き
柴の戸は 月見る空や すくなかるらむ けれどこんな御生活の許へも、一朝、吉野の....