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栄し
「栄し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栄しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ロマネスク」より 著者:太宰治
は三郎を誘って遊びに出かけ、一文もあますところなく使った。黄村の塾はそろそろと繁
栄しはじめた。噂を聞いた江戸の書生たちは、若先生から手紙の書きかたをこっそり教わ....
「死生」より 著者:幸徳秋水
、此二者の常に矛盾・衝突すべき事情の下に在る者は衰亡し、一致・合同し得たる者は繁
栄し行くのである。 而して此一致・合同は、常に自己保存が種保存の基礎たり準備た....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
、生活の影さえ稀薄だ。演劇を生活している、とでもいうような根強さが無い。演劇を虚
栄している、とでも言おうか、雰囲気でいい心地になってる趣味家ばっかり集っている感....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
に屈して之を模倣せざるを得ないのであり、かくて私大は今日、二次的な亜帝大として繁
栄しつつあるのである。之はローマを征服することによってローマ文化に征服されたヴン....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
にまもなく絶滅したと言って、ここに明らかに「適者生存の理」を述べている。残存し繁
栄した種族は自衛の能力あるものか、しからざれば人間の保護によるものであると付け加....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
うものの手によって論語が刊出され、其他|文選等の書が出されたことは、既に民戸の繁
栄して文化の豊かな地となっていたことを語っている。山名|氏清が泉州守護職となり、....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
のつねに矛盾・衝突すべき事情のもとにあるものは滅亡し、一致・合同しえたるものは繁
栄していくのである。 そして、この一致・合同は、つねに自己保存が種保存の基礎で....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
, Regensburg などの都邑がある。是等の都邑はドナウと関連して皆一時繁
栄したところである。Ingolstadt の如きは十五世紀に既に大学を以て響いて....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
聞いたことがない。おそらく無双譜の中に入るべきものだろう。 白兎の家族は更に繁
栄し人々は大に興じた。 だがそれからというものは、わたしは結局浮世の味気なさを....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
、宗教家と何等異るところがないはずである。 商人が社会のために良品を供給し、繁
栄して行き得るならば、これすなわち本懐というべきではなかろうか、しかもそれは決し....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
は悩み続け、空しく時を過した。今日では労働の自由と交換の自由の制度の下に産業は繁
栄している。条件は前の場合には有利であり、後の場合には不利である。だが二つの場合....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ろ安産の神様だ。戦争に負けたってビクともしないや。人類ある限り人類とともに共存共
栄しようという絶対的な神様なんだね。人類とともに、否、人類の苦痛とともに、かね。....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
である。今年の春、塩ガマへ旅行したとき、塩ガマ神社の裏参道の登り口に神様と共存共
栄しているサフラン湯本舗のオヤジが、これもヘルプ型であった。もッとも彼は真ッ昼間....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
にむしろアベコベに兵火をうけ易かったものである。それは彼らが広大な荘園をもって繁
栄し兵をたくわえる力があったからであるが、それに比べると、コマ家はすでに中世に於....
「三月の空の下」より 著者:小川未明
らしいすいせんを病院の庭に植えたのでありました。 しかし、|A病院は、いまも繁
栄しているけれど、慈善病院は、|B医師の死後、これを継ぐ人がなかったために滅びて....