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「栄花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

栄花の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、足休めの客の愛想に、道の対う側を花畑にしていたものかも知れない。流転のあとと、栄花の夢、軒は枯骨のごとく朽ちて、牡丹の膚は鮮紅である。 古蓑が案山子になれば....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
申しても一寸も御許し下さいませんの。どうしようかとよくよく考えて見れば此の世での栄花は夢の又夢のようなはかないもの、たのしんだり栄えたりしても何になりましょう。....
現代の詐術」より 著者:坂口安吾
ぬ寺領や貴族領へのがれたり、または私田を寄進したりする。こうして荘園が栄え、貴族栄花の時代が起り、農民は又、さらに脱税のために管理者とケッタクして、武家時代をも....
日記」より 著者:宮本百合子
るので、すっかり古い花をすて、線香をもやす。 夕飯前、和本箱を見、西行の伝記、栄花物語、その他を見出す。月のゆくえとか、池の藻屑とか小説のような名の本を一寸あ....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
もと炭焼の山子であっても、都合よく金を見付け出して既に富を重ねてみれば、だんだん栄花がほしくなる。なお俘囚の長たる平泉の藤原氏や、東夷と呼ばれた鎌倉幕府が、都の....
間人考」より 著者:喜田貞吉
ありけれ。 枕草子に、 てづからは声もしるきに、はしたものなどは、されどよし。栄花物語根合の巻に、 はしたもの、女房の局の人など、をかしくしたてゝ沓すり歩く。....
私本太平記」より 著者:吉川英治
は、もっと広い意味のこと。すなわち、お辺は武門から出家し、卯木どのは、女院の内の栄花めかした似非幸福から出家なされたものではあるまいかの。いうなれば、弥陀をたの....
私本太平記」より 著者:吉川英治
男には男の情、女の知ったことではない」 「さもしいお方だ、そんなにまでして、身の栄花が欲しいのか。天下とやらを取りたいのか」 「だまらぬか」 「だまりません! ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
直義へは、軍政、日常のおもなる権、あらましは彼にゆだねてあるが、このうえの名誉も栄花も俗世の果報はみんな彼にやりましょう。どうか弟の安穏をお守りください。……そ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
にもあらず、ただ奇しき陽かげの御生命であったに過ぎない。 こうまでして、権力や栄花に妄執した貴族心理は、われら庶民の理解には、遠すぎて、縁なきもののようですが....