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栄転
「栄転〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栄転の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅男」より 著者:海野十三
村も奇遇に愕いて尋ねると、大川巡査部長は昨日辞令が出て、この宝塚分署の司法主任に
栄転したということが分った。時も時、折も所、蠅男の跳梁の真只中に誰を見ても疑いた....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
う。大阪方で転封と云うことがなければ、大事の城の濠を潰させるわけはない。内約的に
栄転的転封を約したのであろう。 三月中旬に、大阪より青木一重、淀君の妹の常高院....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
われていたが、わたしが多年住んでいるうちに何事もなく、家はますます繁昌して今度も
栄転することになった。鬼などというものが一体どこにいるのだ。この家も凶宅どころか....
「地球要塞」より 著者:海野十三
すか」 「いいえ、たいへん上機嫌でいらっしゃいました。どうやら、あなたさまは、御
栄転になるとの噂が専らでございますわ。黒馬博士、このたび、あなたさまは、どっちの....
「空襲警報」より 著者:海野十三
が盛んになってきたという。 この話は、最近大尉に昇進して、高田の防空飛行隊附に
栄転した義兄川村国彦中尉ではなかった川村大尉からの知らせだった。 「義兄さん、万歳! 防空飛行隊、万歳!」....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
講壇に立った。 「諸君もあるいは知っているかもしらんが、こんど久保井校長が東京へ
栄転さるることになりました、ついては告別のため校長から諸君にお話があるそうですか....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
巧妙な卑劣な方法を取る事を辞さない。勝れた学識と、外科手術の手腕を持つ助教授が、
栄転という美名の許に、地方の大学の教授に巧みに敬遠せられた例が二三あるし、弟子に....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
現在の花山校長は、人望のあった大垣校長がこの学年の変り目に新設のある高等学校長に
栄転したあとをうけて赴任して来た人で、容貌も、性質も、大垣校長とは比較にならない....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
私の町に二十年勤続し、筋のいい漢学者であった。この先生は後見出されて広島の中学に
栄転したが、その訣別の辞にも、「私は庄原を忘れるのではない、しかし人間はどこまで....
「髪」より 著者:織田作之助
幸運を約束されているという点で、一致していた。後年私は、新聞紙上で、軍人や官吏が
栄転するたびに、大正何年組または昭和何年組の秀才で、その組のトップを切って栄進し....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
をふと、耳に致しましたのです。それを聞きました時には、ちょうど、今度のお父上の御
栄転騒ぎで、都のお勤めからは手前もいよいよ身を引潮の漁り歌と云うわけで、……何と....
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
に節約して、宮中の費用を縮めるのを手柄とした。そして、この功により食祿の加増や、
栄転を目的にしたのであった。 そうでない奴は、買物の中からカスリを取ろうとした....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
最も反対側から憎まるべき筈の習宜阿曾麻呂(註一)が、道鏡失脚後の新政において続々
栄転した形跡のある事や、その反対に最も多く賞せらるべき筈の和気清麻呂、法均の姉弟....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
か嘘か分らないが、いずれにしてもその予言が当って、その後小田切氏はとんとん拍子に
栄転した。 それはとにかく、小田切氏の結婚と同時に宮本夫人に、好感を持たなかっ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
何らの通報を受けない事すらあったが、戦況困難となりモルトケが遂に出征軍の参謀長に
栄転し、よく錯綜せる軍事、外交の問題を処理して大功を立てたのでその名望は高まった....