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栄辱
「栄辱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栄辱の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
するが故に、俗累《ぞくるい》の覊絏牢《きせつろう》として絶《た》ちがたきが故に、
栄辱得喪《えいじょくとくそう》のわれに逼《せま》る事、念々切《せつ》なるが故に、....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
《そこ》へ横に倒れたまま、五官を馬鹿にし七情の守《まもり》を解いて、是非も曲直も
栄辱も窮達も叔母もお勢も我の吾《われ》たるをも何もかも忘れてしまって、一瞬時なり....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
先ず拙者に許されますよう、平にお願いいたしまする」
武道の執念《しゅうねん》、
栄辱《えいじょく》の憤恨《ふんこん》、常日頃の沈着を失った平馬は、いまは、両眼に....
「我が子の死」より 著者:西田幾多郎
の人を捕え来りて、帝王も乞食もみな一堆《いったい》の中に積み重ねているのがある、
栄辱《えいじょく》得失もここに至っては一場の夢に過ぎない。また世の中の幸福という....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
聞キ未ダソノ意ヲ得ズ、爾後十余年、海内《かいだい》ニ周遊シテ斯ノ技ヲ試ミ、初メテ
栄辱悲歎ノ心、診察吐下ノ機ヲ妨グルコトヲ知ル――」 ここまで朗々と誦《ず》し....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
》あらざれば、士族と平民との間に敵意ありて、いかなる旧藩地にても、士民共に利害|
栄辱《えいじょく》を與《とも》にして、公共のためを謀《はか》る者あるを聞かず。故....
「瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
に幕府を中央に戴《いただい》て三百藩を分つときは、各藩相互に自家の利害《りがい》
栄辱《えいじょく》を重んじ一毫《いちごう》の微《び》も他に譲《ゆず》らずして、そ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
れりとし主家の結末と共に進退を決し、たとい身に墨染の衣を纒わざるも心は全く浮世の
栄辱を外にして片山里に引籠り静に余生を送るの決断に出でたらば、世間においても真実....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
その間に優劣なきを見てこれに欺かれ、議論もここに止まり、徒党もここに止まり、勝敗
栄辱ともに他の有様の全体を目的とすることを知らずして、万民太平を謡うか、または兄....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
れを戒むるの趣意、単にその人の一身にありしことなれども、今は則《すなわ》ち一国の
栄辱に関して、更に重大の事とはなりたり。身を思い国を思う者は、深く自ら省みる所な....
「入れ札」より 著者:菊池寛
と、九郎助は後のもう一枚が、どうしても欲しくなった。後の一枚が、自分の生死の境、
栄辱の境であるように思われた。忠次に着いて行ったところで、自分の身に、いい芽が出....
「三国志」より 著者:吉川英治
歌う声がする。 蒼天は円蓋の如し 陸地、碁局に似たり 世人|黒白して分れ 往来に
栄辱を争う 「おうい、童子。ここを開けてくれ。先生はいらっしゃるか。――わしだよ....
「三国志」より 著者:吉川英治
宴をもうけて、みずから盃を取り、 「周泰。汝は呉の功臣だぞ。今日以後、われは汝と
栄辱を倶にし、生命のあるかぎりこの度の働きは忘れない」 と云い、その盃を彼の手....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
殊部落と細民部落・密集部落」の中に説いておいた。倉廩満ちて礼節を知り、衣食足りて
栄辱を知る。たとい富有というまででなかった仲間でも、生活に困らなかった時代の彼ら....