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「栄養不良〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

栄養不良の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
、本当に取り違えたものか―― 柚木は衣服の上から娘の体格を探って行った。それは栄養不良の子供が一人前の女の嬌態《きょうたい》をする正体を発見したような、おかし....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
戦況に、大発展を予約しているものじゃ。要するに日本海軍というも、日本人というも、栄養不良のヒステリー見たいなものだ。布哇を見い。あれだけの日本人が居ってグウの音....
自叙伝」より 著者:大杉栄
は多くはその弟を相手に遊んでいた。僕は大がい横井の「黄疸」をいじめて暮していた。栄養不良らしいその黄色な顔から、僕等は彼をそう呼んでいたのだ。横井はその妹の、や....
わが町」より 著者:織田作之助
ところを、二三尾の小鰯に、十日に一度、茄子が添えられるだけであった。 たちまち栄養不良に陥ったが、おまけに雨期になると、早朝から濡れ鼠のまま十時間働いてくたく....
島原心中」より 著者:菊池寛
を見ているうちに、自分の気持が鉛のように重苦しくなって来るのを感じたのです。女の栄養不良の瘠せ果てた身体は、彼女の過去の苦惨な生活を、何よりも力強く、僕の胸に投....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
物をつまみ上げることが出来ない女工が一人ずつ追い出されて行った。給料ぽッきりで。栄養不良と、日光不足(朝四時から夜七時まで作業)にもってきて、世界各国で禁止され....
続獄中記」より 著者:大杉栄
た翌朝、例の食器口のところへぬうとこの男に顔を出された時には、思わずぞっとした。栄養不良らしい蒼ざめた鈍い土色の顔を白毛まじりの灰色の濃い髯にうずめて、その中か....
チチハルまで」より 著者:黒島伝治
は、そこを占領した。支那兵は生前、金にも食物にも被服にもめぐまれなかった有様を、栄養不良の皮膚と、ちぎれた、ボロボロの中山服に残して横たわっていた。それを見ると....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
声に、この陋巷のあちこちから腹の減った連中が駆けよって来た。屋台の前は、たちまち栄養不良患者の展覧会のようになった。 燻製料理世界一屋の商売は大繁昌だ。 し....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
拭き拭き、力が抜けたように歩いて行く。ひとつは飢饉のためでもあった。大方の人達は栄養不良で、足に力がないのであった。 「南北三百二十間、東西一百三十間、六万六千....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
いのであるからいよいよ愉快である。 かくのごとく沈没が流行する時勢にあたつて、栄養不良の和製トーキーのみがひとり泰然自若としてろくであり得るわけはどう考えても....
隠亡堀」より 著者:国枝史郎
ね」 「お袖は何うだ? 顔の艶は?」 「それがさ、俺よりもう一つ悪い」 「つまり栄養不良だな」 「商売物だけは食わせられねえ」 「今夜だけ其奴を食わせてやれ」 ....
秋深き」より 著者:織田作之助
奴は火イで温くめたアるによって、嘗めやすい。と、まあ、こんなわけだす。いまでも、栄養不良の者は肝油たらいうてやっぱり油飲むやおまへんか。それ考えたら、石油が肺に....
わが町」より 著者:織田作之助
ところを、二三尾の小鰯に、十日に一度、茄子が添えられるだけであった。 たちまち栄養不良に陥ったが、おまけに雨期になると、早朝から濡れ鼠のまま十時間働いてくたく....
美食多産期の腹構え」より 著者:北大路魯山人
で充分じゃないか、今の世の中はと。エネルギーのない多くの人々はこれを常識として、栄養不良というやくざ人間をつくり出している。これが当世らしい。心に楽しむ余裕を持....