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栄養失調
「栄養失調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栄養失調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海底都市」より 著者:海野十三
すると入ってしまって、僕は捕《つか》まえそこなった。 「二十年前の人間は、悪病と
栄養失調と非衛生とおどろくべき無知無能のために、このような衰弱《すいじゃく》した....
「お父さん」より 著者:林芙美子
って顔をあかくされました。 先生は、このごろ頭に小さいはげが出来ました。みんな
栄養失調だとうわさしています。だって、そのころ、誰かが黒板に、山本先生の
栄養失調....
「或る日の対話」より 著者:豊島与志雄
、呆れてばかりいては、生存に必要なカロリーも取れやしない。俺の愛する娘も、だいぶ
栄養失調の恐れが濃厚になってきた。 「外の者はどうでもよいから、せめて娘にだけは....
「三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
れなかったのである。刑務所側の説明に依れば、三木は警視庁以来、疥癬にかかり、また
栄養失調を来し、九月半ばに急性腎臓炎となり、症状が進んで、病舎にあること二日にし....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
云ったが私は返事をしなかった。 私は病んではなかったけれども、戦争中はまったく
栄養失調だったかも知れない。何一つ特配というものがない。主食にカボチャや豆ばかり....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
どるという性質のものではない。 おまけに妻子六名もつき従っており、これがみんな
栄養失調の気味で、やたらに食い倒す。もちろん別々の配給生活にして、大根一本やらな....
「出家物語」より 著者:坂口安吾
天ぷらと、結婚すると思や、この節はもう、これに限るのよ。野郎なんざ、どうだって、
栄養失調にならなきゃ、いいのヨ。ネエ、そうだわヨ、奥さん」 こう言われてキヨ子....
「遺恨」より 著者:坂口安吾
ダマを買ってやることすらも、稀れにしかなかった。 先生は大学生を咒った。先生は
栄養失調の気味であったが、教室で見る大学生はみんなマルマルとして血色がよく、年中....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
分は不払いの不便を忍んで、食うものも食わずに家を建てた。真鍋君は、一時はまったく
栄養失調であったという。彼の説によると、坂口安吾ごときは自分の何倍かの原稿料を貰....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ん。しかし、ケチンボーが食う物も食わず、お金をためて、貯金通帳をだきしめながら、
栄養失調で生涯の幕をとじる。バカさ加減も、立派さも、恋の勇士と同じことですよ。要....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
を取りもどしたりしたが、それもほとんどなくなつた。昨年の秋からは、妻にも明らかに
栄養失調の徴候が現われ始めた。要するに、現在は妻にとつて結婚以来もつとも苦難の激....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
水につかることを心掛けていた。それが無理であったようだ。その他、当時は食糧難で、
栄養失調の気味もあり、不覚にも流しの上へヘタヘタとくずれて、しばしノビテしまった....
「美食七十年の体験」より 著者:北大路魯山人
笑止千万といいたい。ラジオ、テレビ、雑誌で毎日のように栄養を説いているが、これは
栄養失調者がこの世の中にいかに多くはびこっているかを物語っているものといえよう。....
「猪鹿蝶」より 著者:久生十蘭
にいるころは、朴なんとかいうボクサーくずれに入れあげて、耳のうしろの肉が落ちて、
栄養失調の子供のようないやな感じだったけど、こんどは身幅がついて、人がちがったみ....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
ました。友人が帰還してそんな噂をしていたと云うのです。内地で贅沢をしていたので、
栄養失調で斃れたらしいということなのです。 私はそれを聞いてから、帰らぬ夫を待....