栗色[語句情報] » 栗色

「栗色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

栗色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
いすちゃ》、鶸茶《ひわちゃ》、鳶色《とびいろ》、煤竹色《すすだけいろ》、銀煤色、栗色、栗梅、栗皮茶、丁子茶《ちょうじちゃ》、素海松茶《すみるちゃ》、藍《あい》海....
新生」より 著者:島崎藤村
ように成ってからは大学や論語の素読を父から受けた。彼はあの後藤点《ごとうてん》の栗色の表紙の本を抱いて、おずおずと父の前へ出たものであった。何かというと父が話し....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
個、入っていたばかりだった。彼女は、その錫箔を剥がしてみた。すると、錫箔の下に、栗色のチョコレートは無くて、白い紙でもう一重、包んであった。その白い紙を剥がして....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
「やあ兎だ! 刎ねてらあ!」 甚太郎は嬉しそうに手を拍った。岸の枯草の間から、栗色の兎が飛び出して、灌木の茂みへはいったからであった。 栗の木では栗鼠が鳴い....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろに変わって来るので、宿場宿場では継立てに難渋した。八月の一日には、この街道では栗色なめしの鎗を立てて江戸方面から進んで来る新任の長崎奉行、幕府内でも有数の人材....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ロと紅葉が庭へ降って来る。草叢からピョンと飛び出して峰の方へ颯と走って行ったのは栗色をした兎である。ケーンケーンと森の奥から雉の啼き声が聞こえて来る。時々|雹で....
博物誌」より 著者:岸田国士
る。 全く見事な毛虫である。でっぷりとして、毛深くて、立派な毛皮にくるまって、栗色のからだには金色の斑点があり、その眼は黒々としている。 嗅覚を頼りに、彼女....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
のも、蕾を沢山持った山吹が、卯木と一緒に、小丘のように盛り上がってい、その裾に、栗色の兎が、長い耳を捻るように動かしながら、蹲居ってい、桜実のような赤い眼で、栞....
剣侠」より 著者:国枝史郎
秋草の花――桔梗や女郎花や、葛の花などが寝ている源女の、枕元や足下に咲いていた。栗色の兎がずっと離れた、萩の根元に一匹いて、源女の方を窺っていた。 彼女の頭上....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
紙をたたむと、深く懐中へ入れた。 天龍川の水音が、秋晴れの空気を顫わせている。栗色の兎が草むらから出た。が、逃げようともしなかった。 「どのようなことが巻き奉....
決闘場」より 著者:岡本かの子
き寄せられまいとしてジョーンの左腕にすがって居るようにも見える。 ワルトンは、栗色の髪を油でこてこてにした頭を、女の顔にぶっつかる程突き出して、褐色の瞳を小賢....
「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
、にんじんのように赤ちゃけた髪の毛という意味になる。この種の髪の色は、ブロンドや栗色などとちがい、生々しくどぎつい感じのために、あまり見ばえがしないばかりでなく....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
寄扱は好かない。一体どの詞にも語原があって、 その響が残っている。グリップスも、栗色、苦み、 苦労、繰言、くら闇、ぐらつきなどと、 語原学上に声が通っているが、....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
へえ、成程|先達て集古十種と申す書物で見ましたが、一|端かき入れを致して其の上を栗色の革にて包みまして、柄はかば糸にて巻き、目貫は金壺笠に五三の桐でございまして....
はつ恋」より 著者:神西清
ンドなまりのある言葉つきで、伯爵は反対した。これは頗る美貌の、凝った身なりをした栗色の髪の男で、表情に富んだ鳶色の目と、細い小ぢんまりした白い鼻をもち、小っぽけ....