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栞
「栞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栞の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
客の脱ぎ捨てた古草鞋《ふるわらじ》が、枯ッ葉のように点を打って、おのずと登り路の
栞《しおり》となっている、路傍の富士薊《ふじあざみ》の花は、獣にでも喰い取られた....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
をめくってみると、半頃に頁を折ってあるところがあった。そこを開けると、白い小布が
栞のように挿まっていて、矢印が書いてある。矢印の示すところには赤鉛筆で、傍線のつ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
見えたが、月に風なき野となんぬ。 高坂は※と坐した。 かくて胸なる紅の一輪を
栞に、傍の芍薬の花、方一尺なるに経を据えて、合掌して、薬王品を夜もすがら。....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
った入口の、立看板の白く冴えて寂しいのも、再び見る、露に濡れた一叢の卯の花の水の
栞をすると思うのも、いまは谷底のように遠く、深い。ここに、突当りに切組んで、二段....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
いてるのだなと思った。 しかしどうしようというでもなく、菫の花を見つけて詩集の
栞に挟んで置くようなものだった。 ところが或る日思いがけなくその娘が山久の店へ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
屋敷が、飯塚薪左衛門という郷士の屋敷であることや、娘は、その薪左衛門の一人娘で、
栞という名だということや、今、この屋敷には、頼母の他に五人の浪人が泊まっていると....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
科に充つべく指定せられたる参考書は教師の参考資料ともなり進みたる青年の独学自修の
栞にも供すべきようにし、通俗講話のごときもなるべく題材をここに求むることとし、町....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
、鎌にて片端を削り取らんとしたれどそれもかなわず、また来んと思いて樹の皮を白くし
栞としたりしが、次の日人々と共に行きてこれを求めたれど終にその木のありかをも見出....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
祖の植えたるものなりと言いはやされ、其の功は行末永く残るべし。」(「開墾及耕作の
栞」北海道庁、拓殖部編) 「……実際、我国の人口、食糧問題がかくまでも行き詰りを....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
なるにや。 とあるを管見に入るの初めとする。これより先文化二年の谷川士清の倭訓
栞にも、くぐつというとのみあって、その語と傀儡子との関係には及んでいないのである....
「手長と足長」より 著者:喜田貞吉
は膳部の方より請取、通の方へ渡すを手長といふなり。 と説明してある。されば倭訓
栞には、「今云ふ手伝の人なり」と云い、上田博士・松井簡治氏合著の国語辞典には、「....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
ち出で給ふに、…… 今もよく値切って物買う人が、「ハシタというのがあって、和訓
栞に、「指貫に言へり、胡曹抄に、経緯とも薄紫と見えたり」と解している。 さらに....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
揺れ揺れ、帆綱よ、空高く…… 私の今度の航海は必ずしも物の哀れの歌枕でも世の寂
栞を追い求むる風狂子のそれでもなかった。ただ未だ見ぬ北方の煙霞に身も霊もうちこん....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
卓見家ですら、なおかつこんな不徹底な説明に満足していたのだ。また谷川士清の「倭訓
栞」には、 。常にいふ走り下部なりとぞ。 と云っている。前者とその説は違うが不徹....