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「株屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

株屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
の没後、新聞雑誌の用語を使うと、「飜然《ほんぜん》と心を改めた。」今は何でもある株屋の番頭か何かしていると云う。この蟹はある時自分の穴へ、同類の肉を食うために、....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
はバットに火をつけた後《のち》、去年水泳中に虎魚《おこぜ》に刺《さ》された東京の株屋の話をした。その株屋は誰が何と言っても、いや、虎魚《おこぜ》などの刺す訣《わ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
新蔵との恋の邪魔をするかと云いますと、この春頃から相場の高低を見て貰いに来るある株屋が、お敏の美しいのに目をつけて、大金を餌にあの婆を釣った結果、妾《めかけ》に....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
態度は少しもなかった。美貌だが、自分から女を口説こうとしなかった。 彼は北浜の株屋の店員だった頃から、貴子のバーの常連だった。ある時、女給が、 「くにの母さん....
党生活者」より 著者:小林多喜二
る。 聞いてみると法律事務所へ通っている事務員、三味線のお師匠さん、その二階の株屋の番頭さん、派出婦人会、其他七八軒の会社員、ピアノを備えつけている此の辺での....
わが町」より 著者:織田作之助
い、一日じゅうせかせかと歩きまわるので、からだがくたくたに疲れるのだ。 北浜の株屋を後場が引けてから一軒々々まわって、おびただしい数の電話を消毒したあとなど、....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
すれば、建物と建物との間にはさまって、帯のように狭くなった天空は、ニューヨークの株屋が活動するウォール・ストリートあたりを見るような天空深淵を、下から上へとのぞ....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
飛び出すわけにも行かなかった。 私は隣の若い夫婦の親愛な言葉や、憎さげに肥えた株屋といった人相の男と芸者達がやる賭博と、下等な笑い声をじっと忍従の心で聞くより....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
に、多くの客室を持てる大寺院だった。信者は都会および全国に行き渡っていた。そして株屋、相場屋等が信者の中でも主位を占めていた。院主は金襴の法衣によって端麗であり....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
きめこんでいる。だから宿屋の番頭をしながらも経済界のことには勉強も注意も怠らず、株屋だの銀行員の客とみれば根掘り葉掘り訊きだして経済界の実相というものを身につけ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
なよと悪智慧がつけられるか。どうせ世間を知らねばならぬと思っても、必要がないのに株屋の内幕や、待合の駈引きや、商売の苦肉策を教え込む親はあるまい。人は必要に迫ら....
猫と村正」より 著者:小酒井不木
めた。 私は日本橋に株式仲買店を持つ辻というもので御座います。御承知のとおり、株屋などというものは非常に迷信深いものですが、私は先刻も申しましたとおり、決して....
現場の写真」より 著者:小酒井不木
ばかり急に暖かくなったから、また、犯罪がふえるかもしれないねえ。ことに浅草Y町の株屋殺しのように、事件が迷宮に入ると、それを模倣して人殺しが続出しないともかぎら....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
「そうだ、そうだ、府の高等刑事に聴いてみい」 「島徳か、宮崎敬介に聞いてみい、株屋は耳が早いから知っているかも知れぬ」 そこで松島は給仕を呼んで四方に電話を....
婚期はずれ」より 著者:織田作之助
はいよいよ焦った。 路地に年中洋服を着た若い男が母親と移って来て、花井といい、株屋の外交員をしているとのことだった。小柄で浅黒くてかてか光った皮膚をして、顔は....