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根
「根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
根の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
まで聞いていました。
ところがある日のこと、髪長彦はいつもの通り、とある大木の
根がたに腰を卸しながら、余念もなく笛を吹いていますと、たちまち自分の目の前へ、青....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
ら》えるのなら、浪花節語りには限らないものを。あんなに芸事には身を入れていても、
根性の卑《いや》しさは直らないかと思うと、実際|苦々《にがにが》しい気がするので....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
いたものなのです。ですから帰朝後二三年の間、彼は毎日あのナポレオン一世を相手に、
根気よく読書しているばかりで、いつになったら彼の所謂《いわゆる》『愛《アムウル》....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
府内をさまよって歩いた。物慣れた甚太夫は破れ扇に鳥目《ちょうもく》を貰いながら、
根気よく盛り場を窺《うかが》いまわって、さらに倦《う》む気色《けしき》も示さなか....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
》れますが。(作者註。この間《あいだ》に桜の散っていること、鶺鴒《せきれい》の屋
根へ来ること、射的《しやてき》に七円五十銭使ったこと、田舎芸者《いなかげいしゃ》....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
見合せたらしかった。姉は上眼《うわめ》を使いながら、笄《かんざし》で髷《まげ》の
根を掻《か》いていたが、やがてその手を火鉢へやると、
「神山さんが帰って来た事は....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
すし、在来の恋愛小説には満足しないようになっていますから、……もっと深い人間性に
根ざした、真面目《まじめ》な恋愛小説を書いて頂きたいのです。
保吉 それは書き....
「狂女」より 著者:秋田滋
彼にはどうもそれが真実だとは思われなかった。哀れな狂女が床を離れずにいることを、
根性まがりの女の自尊心が然らしめるところだという風に釈った。普魯西の兵隊などには....
「初雪」より 著者:秋田滋
この世のひとの顔とも思われない。そして頻りに咳をした。彼女はそのたびに、自分の精
根を涸らしてしまう、込み上げて来るその動揺をおさえようとするためなのであろう。透....
「寡婦」より 著者:秋田滋
て聞かせるのでした。なぜかと云いますと、世間ではその話を、それには本当のもあれば
根も葉もない嘘のもありましたが、いろいろ話していたからでした。あの一家の者は皆な....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
て、彼は百姓を手つだって、かるい畑仕事をしてやった。乾草つくりに手をかしたり、垣
根をなおしたり、馬に水をのませに連れていったり、牝牛を放牧場から駆りたてたり、冬....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
つしか深い友情を生むようになった。とうとう、彼等はある大きなアパートの、それも屋
根裏のむさくるしい部屋で、三人で暮すようになった。その家はもう巴里も場末の、その....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
より早くなった。少々残酷だとは思ったが、気持が好かった。私はもう一息で小鳥の息の
根を止めるところだった。が、そのまま死なせては血が見られないことになる。 そこ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
ラソル』はこのあたりでの出来ごとである――の果て近くまで論じ来り、遂いに淋しい松
根に御輿をすえてしまい、秋月すでに帰り、太陽は名代の顔にしまを作ったと云う事であ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
、急ぐべし!」 と多助は、炭俵をがさがささせて、走って行きました。太郎右衛門は、
根がはしっこくない男でしたから、多助に遅れて、一人で坂を下りて行きました。太郎右....