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「根底〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

根底の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
めた経済状態の下《もと》で、生活の美装という事に傾いていた。自然主義は思想生活の根底となり、当時病天才の名をほしいままにした高山樗牛《たかやまちょぎゅう》らの一....
性急な思想」より 著者:石川啄木
苦行と共に世界中で最も性急な道徳であるとも言えば言える。……日本はその国家組織の根底の堅く、かつ深い点に於て、何《いず》れの国にも優《まさ》っている国である。従....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
ーテンスは言葉を強めて云った。 「君の寝室はこの事件に関して僕の立てていた推定を根底から引繰り返してしまった。ゼ号は北極海からではなく大西洋方面から飛来したとい....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
体正反対なものであるのを連関したもののように見なしている。ここでこのような考えの根底となっているのは疑いもなく、全然均等な渾沌の中にはいかなる物にもその周囲のも....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
、できるだけ多く搾取しようとした官僚政治により、遂に国民の生産的、建設的企図心を根底的に消磨し、生活し得る最小限度の生産が、人民の経済活動の目標となった結果であ....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
ど、今の世は老者なお青年を夢みて、老なる問題はどこのすみにも問題になっていない。根底より虚偽な人生、上面ばかりな人世、終焉|常暗な人生…… 予はもの狂わしきま....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
数登場させなくてはならぬ。それには少なくとも現在の立候補に関する法令、手続などを根底から改めなくてはならぬ。 私一個の意見としては、立候補を成立せしめる基礎を....
車中有感」より 著者:上村松園
なにごとも工夫ひとつで――むしゃむしゃの電髪も、このように「日本美」というものを根底に置いて考えれば、実に立派な美的な髪が生まれるのである。 ひと頃のように、....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
く異様なことが持上った。それは、いままで自信を以って推し進められた係長の推断を、根底から覆してしまうような出来事であった。 断って置くが、殺された丸山技師は平....
著作権の問題」より 著者:伊丹万作
うから、ここではくわしいことは一切省略しておく。 ただ、参考のため、私の意見の根底となつている、最も重要な原則だけをかいつまんで申し述べるならば、私は自分の不....
花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
って、その姿を写生し参考としたが、やはり真の狂人の立居振舞を数日眺めて来たことが根底の参考となったことを思うと、何事も見極わめる――実地に見極わめることが、もっ....
岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
ての根本的教養であらねばならぬ。日本の現代文化はあまりに急速に発展せしため、その根底において堅実を欠く憾みがある。これを培養充実するには古典の普及に俟つところが....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
命で江戸の洗練された文化は田舎侍の跋扈するままに荒され、江戸特有の遊里情調もまた根底から破壊されて殺風景なただの人肉市場となってしまった。蓄妾もまた、勝誇った田....
四十年前」より 著者:内田魯庵
る。井侯薨去当時、故侯の欧化政策は滑稽の思出草となったが、あらゆる旧物を破壊して根底から新文明を創造しようとした井侯の徹底的政策の小気味よさは事毎に八方へ気兼し....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
る。しかし今日、世界列強が日本を嫉視している時代となっては、正しくその真相を捉え根底ある計画の下に国防の大方針を確立せねばならぬ。これは私の絶えざる苦悩であった....