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「根来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

根来の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
上に噂の高い、阿媽港甚内《あまかわじんない》と云う盗人《ぬすびと》がございます。根来寺《ねごろでら》の塔に住んでいたのも、殺生関白《せっしょうかんぱく》の太刀《....
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
浪《ひょうろう》して帰って来た時には、その喜久井町がだいぶ広がって、いつの間にか根来《ねごろ》の方まで延びていた。 私に縁故の深いこの町の名は、あまり聞き慣れ....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
ものから一層改まって、畳二畳半ばかり隔てて父の前に座した。紫檀の盆に九谷の茶器|根来の菓子器、念入りの客なことは聞かなくとも解る。母も座におって茶を入れ直してい....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
古典絵家の意趣は、併しながら、よく現れている。 此は、為恭の日記によると、紀州|根来に隠れて居た時の作物であり、又絵の上端に押した置き式紙の処に書いた歌から見て....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
木魚などは多くもない採集の中にも三つ四つあったでしょう。その他|達磨は、堆朱のも根来塗のもありました。亀も形がよいと見えて、一つのも重ったのもあったようです。 ....
日和下駄」より 著者:永井荷風
《こと》にしたが、その裏通《うらどおり》なる小流《こながれ》に今なおその名を残す根来橋《ねごろばし》という名前なぞから、これを江戸切図に引合せて、私は歩きながら....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
。後者は「八丁傘」の名で通っております。その辺より南は紀州蜜柑の本場であります。根来寺の「根来塗」は昔の物語りになりました。しかしこれを試みる者が何処かに絶えな....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ム。これだけいれば……」 と、荷十郎は居合わす人々を見まわした。 亀井兵助、根来八九郎、伊藤孫兵衛、などの顔は、彼を気強くさせるものだった。そのほか、すべて....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の間詰、お庭の者、などと称される隠密の役は、駿河台の甲賀組、四谷の伊賀組、牛込の根来組、こう三ヵ所に組屋敷があった。 いずれも柳営の出入り自由で、将軍家と会う....
私本太平記」より 著者:吉川英治
遠大なものらしい。 十津川の郷士竹原八郎一族を帷幕に加えて、熊野三山から高野、根来の衆徒をひきいれ、大峰山脈の一帯をとりでと見なして、外洋では伊勢、熊野の海賊....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
ような坊さんは、いまの宗教界にはいそうもない。 ぽつんと、白絹の上にのっていた根来椀の朱ザビと線が、ひどく印象的だった。これを作った無名の工人や庶民をかすかに....
くちこ」より 著者:北大路魯山人
。青々した畳にも合う。啓書記、因陀羅というような万金の掛物をかけた座敷にも合う。根来薄手の椀にも合えば、金蒔絵にも合う。 これは寒海鼠の胎児の話であるが、その....