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「根気に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

根気にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
う親の顔も親類の顔も我慢にも見ていられなくなっていた。これは大変だと気がついて、根気に心を取り直そうとしたが、遅かった。踏み答えて見ようと百方に焦慮《あせ》れば....
三四郎」より 著者:夏目漱石
ったのね」 「あらあったもないもんだ。早くお出しなさい」 三人は約三十分ばかり根気に働いた。しまいにはさすがの与次郎もあまりせっつかなくなった。見ると書棚の方....
子規の画」より 著者:夏目漱石
の捷径《しょうけい》を棄《す》てて、几帳面《きちょうめん》な塗抹《とまつ》主義を根気に実行したとすれば、拙の一字はどうしても免《まぬか》れがたい。 子規は人間....
新生」より 著者:島崎藤村
て、 「ええええ、節はあれで何か書くようなことは好きな方だぞなし。独《ひと》りで根気に何かよく書いたり読んだりします」 「や。その話は好い話だぞ。そいつは面白か....
刺繍」より 著者:島崎藤村
長襦袢《ながじゅばん》だけ出して、素足に庭下駄を穿《は》きながら、草むしりなぞを根気にしたところだ。大塚さんは春らしい日の映《あた》った庭土の上を歩き廻って、ど....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
め、教学時代の初めなのです。インドで雑然と説かれた万巻のお経を、支那人の大陸的な根気によって何回も何回も読みこなして、それに一つの体系を与えました。その最高の仕....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
通り誤字脱字は殆どない。未決監に閉じ籠められて、暇に飽かして書いたと云い条、その根気には驚かざるを得ない。加うるに神楽坂署に於ける取調の模様を逐一暗記しているの....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
冷たい足をしているんですか。」 半蔵は話し話し、温暖かい血の気が感じられるまで根気に父の足をなでさすっていた。先年、彼が父の病を祷るために御嶽山の方へ出かけた....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の縁の下にだってあの化け物は隠れているよ。」 そう言って、半蔵はなおも鏡の面を根気にふきながら、相手の庄助に身をすくめて見せた。 その時まで庄助は栄吉らから....
」より 著者:島崎藤村
に行くということすら、お雪には一仕事であった。三人は日光を浴びながら一緒に成って根気に働いた。 「頬冠りも好う御座んすが、眼鏡が似合いません」 こうお雪は夫の....
足袋」より 著者:島崎藤村
飛白の単衣だの、中古で買求めて来た袴などがある。それでも母が旅の仕度だと言って、根気に洗濯したり、縫い返したりしてくれたものだ。比佐の教えに行く学校には沢山|亜....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
は静かな手工のようなことが一番好いで、そこへ私も気がついたもんだで、それから私も根気に家の仕事の手伝いをさせて。ええええ、手工風のことなら、あれも好きで為るわい....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
った。でも彼は熱心につとめた。なぜならつまらないことではなかったから。そして父の根気にも驚かされた。メルキオルは決して倦《あ》かなかった。同じことを十遍もくり返....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
、三日、家へ戻らなかったのである。 四度目に、キッピイはいた。 彼女は放二の根気にあきらめたようであった。 「あなた、何回でも、来るつもりなのね」 「ええ。....
近頃感じたこと」より 著者:小川未明
とだったにちがいない。この、少しの反抗力をも有しない彼等に対してすら、その執拗と根気に怖れをなしているので、考えただけで、身震いがしました。 こういうと、自分....