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根深
「根深〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
根深の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
彼自身の中に否応なしに育っていく無体な欲念との間に、ほとんど憎しみともいえそうな
根深い執着を感じはじめていた。ある残虐《ざんぎゃく》な心さえ萌《きざ》していた。....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
ば述べたところである。これもまた禅を通じて道教の理想の現われた結果である。儒教の
根深い両元主義も、北方仏教の三尊崇拝も、決して均斉の表現に反対したものではなかっ....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
人ですか。あなたもですか。 親鸞 私は極重悪人です。運命に会えば会うだけ私の悪の
根深さがわかります。善の相の心の眼にひらけて行くだけ、前には気のつかなかった悪が....
「転機」より 著者:伊藤野枝
があった。 ほんの些細なことからでも考え出せば人間の生活の悉ゆる方面に力強く、
根深く喰い込み枝葉を茂げらしている誤謬が、自分達の僅かな力で、どうあがいたところ....
「男女関係について」より 著者:大杉栄
満足な気がします。もっとも保子さんが私に持っていらっしゃるプレジュディスはかなり
根深いものであるかも知れませんけれども、この私のシンセリティとそれとがどちらが力....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
掻立てたり。 「そんなに身体を弱らせてどうしようという了簡なんか。うむ、お貞。」
根深く問うに包みおおせず、お貞はいとも小さき声にて、 「よく御存じでございます。....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
いたものではない。しかしながらこの二つの心が、どっちがより真実であるか、どっちが
根深いほんとうの本音であるかということになってまいりますと、私はあとのほうが本音....
「俊寛」より 著者:倉田百三
だ。 俊寛 わしはわしのしぶとい性質を呪う。しかしわしはだめだ。わしは人間の悪が
根深い
根深いものに見える。二人や三人の力で抵抗しても何の苦もなく押しくずされるよ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
それじゃ貴公も賛成か」「平手、おれはこう思うのだ。自分が何より大事だとな。おれの
根深いふさぎの虫は、容易なことでは癒らない。海外密行か入牢か、そうでなければ人殺....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
り、場所によつて使い道もあろうけれども、国民の大多数、ことに、知識層にその傾向が
根深く植えつけられている現象は、断じて民衆の幸福を約束するものではないと思う。 ....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
ているが、そのとき熊肉のすき焼きをこしらえて二人でたらふく食ったのである。加役に
根深と芹を刻んで鍋に入れ、少々味噌を落として汁を作り、それから賽の目に切った熊の....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
であって、山陽が項羽本紀を数百遍反覆して一章一句を尽く暗記したというような教訓が
根深く頭に染込んでいて、この
根深い因襲を根本から剿絶する事が容易でなかった。二葉....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
未開人でないという事を十分会得させるが第一策だと思う。無論、そんな姑息の方法では
根深い誤解を除く事はとても出来ないかも知れんが、少くも彼我国際間の融和を計るには....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
十二 トンボの小屋は、下湯島村から一里の、切立ったような山の半腹にあるので、
根深き岩の裾を切込み、僅かに半坪ほど食い込ましてあとの半坪は虚空に突出してある。....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
いなければあえてすることができないほどに断行する。そして彼等は、旧い制度をもっと
根深く覆えそうとするものや、将来の中にもっと
根深く進んで行こうとするものを捕まえ....