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「根無し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

根無しの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
うれしそうだった。アクセントは東京弁だが、大阪と京都の訛りがごっちゃにまじって、根無し草のようなこの娘の放浪を、語っているようだった。 「どうしてたんだ……?」....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
何でございましょうか。白洲には砂利が敷いてあって、其の上は廂を以て蔽い、真中は屋根無しでございます。正面に蓆の敷いてある処は家主、組合、名主其の外引合の者が坐る....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
うまもなく彼は両手を縛られて、ずんずんお役所の外へ引きずり出された。 阿Qは屋根無しの車の上に舁ぎあげられ、短い著物の人が幾人も彼と同座して一緒にいた。 こ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
月近くも続いたのである。 上り込んで動かないというのでもないし、それに狂気女の根無し言だから、表沙汰にするのも大人気ないとあって、近江屋は出るところへも出られ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ん。けれど公知は、人の口端などに乗せられて、申すのではありませぬ」 「では、噂は根無し草ではないというの?」 「人は知らず、この私が、何でそんな軽はずみなものを....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
面が両岸に続く青葉の中に益々黒い。上流は近く三十間の距離に在る小屋程もある大きな根無し岩が、此方側即ち左岸に近く立ちはだかって、上に一本の流木を戴いていた。大水....