根笹[語句情報] » 根笹

「根笹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

根笹の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
せんから、神田の方から人が来て認められては適《かな》わぬと思いまして、二番河岸の根笹《ねざさ》の処へ蹲《しゃが》んで居りますと、左官の亥太郎が来ました。これは強....
清貧の書」より 著者:林芙美子
な安住の出来そうもない住家に満足している事が淋しかった。 台所の流しの下には、根笹《ねざさ》や、山牛蒡《やまごぼう》のような蔓草《つるくさ》がはびこっていて、....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
々巌蒼く、ぽっと薄紅く草が染まる。嬉しや日が当ると思えば、角ぐむ蘆に交り、生茂る根笹を分けて、さびしく石楠花が咲くのであった。 奥の道は、いよいよ深きにつけて....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
、山路の景色を思出した。 二 「この蕈は何と言います。」 山沿の根笹に小流が走る。一方は、日当の背戸を横手に取って、次第|疎に藁屋がある、中に半....
武蔵野」より 著者:山田美妙
、魚目はいかにも堅そうだし、そして胴の上縁は離れ山路であッさり囲まれ、その中には根笹のくずしが打たれてある。腰の物は大小ともになかなか見事な製作で、鍔には、誰の....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
、停車場前の茶店では、まだ小児たちの、そんな声が聞えていました。その時分は、山の根笹を吹くように、風もさらさらと鳴りましたっけ。町へ入るまでに日もとっぷりと暮果....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
、それがせめての心やり 忘れぐさ忘れたいもの山々あれど、忘れちゃならない人もある根笹 根笹(ネザサ)は何度刈っても幾度刈っても一向に性こりもなく後から後から芽....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
き地蔵の方へ買いに行く。生の鰻の頭をみつけ、買って帰る。 あら玉の 春目の前に根笹かな 夜、緑波君の「船長さん」の放送を聴くべく、今この炬燵へ。まだだいぶ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
くれたその振袖は、すらすらと裳に薄を掛けた後姿が見えて、市松大柄な年増は、半身を根笹に、崖へ下りかかる……見附かった山の幸に興じたものであろう。秋の山は静に、そ....
馬の顔」より 著者:田中貢太郎
ねっているので、一歩あやまれば転がって尻端折にしている単衣を赭土だらけにするか、根笹や青薄に交って漆の木などの生えた藪畳の中へ落ちて茨に手足を傷つけられるかであ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
になったように、いとも静かな生活の天地をこの家の見えない塀が囲んでいた。 低い根笹と筆の軸ほどな細竹とが、自然の小道のように配られてある石から石への通路を程よ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
に立ち、ホッと麓のほうへ眼をつけていたが、やがてまた、栗鼠のごとき素早さで、岩や根笹をつかみながら、一同のいる平地の一端へその姿を躍り立たせた。 何か? ――....
山の人生」より 著者:柳田国男
やはり時刻はもう暮近くに、なにげなしに外を見たところが、宿からわずか隔たった山の根笹の中に、腰より上を出して立っていた。すぐに飛びだして近づき捕えようとしたが、....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
が立つというので芝を張った。そうするとその隙間から顔を出したのが、隣の地面からの根笹の芽であった。これは棄てて置くと笹原になるから鋏で切った。その次には職人が食....