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根限り
「根限り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
根限りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
めて、肩から斜めに目暗縞《めくらじま》を掠《から》めた細引縄に、長々と谷間伝いを
根限り戻り舟を牽《ひ》いて来る。水行くほかに尺寸《せきすん》の余地だに見出《みい....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
泊者である。天下の流浪人である。小樽人とともに朝から晩まで突貫し、小樽人とともに
根限りの活動をすることは、足の弱い予にとうていできぬことである。予はただこの自由....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
も何か、とそんなふうに愚の骨頂のようなことから、その他さまざまなことが、僕の頭を
根限り追いまくった。 そして僕には、僕が学生であった時代が恥ずかしくなった一時....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
年、小林は三十年、坑夫をやって来た。彼等は、車を廻す二十日鼠であった。 彼等は
根限り駆ける! すると車が早く廻る。ただそれ丈けであった。車から下りて、よく車の....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
何十人かの剣団《けんだん》を案内して江戸へ戻る途中を擁《よう》し、ひさかた振りに
根限り腕をふるって一大修羅場に死人《しびと》の山を築いてくれよう――こういう気だ....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
、それとも乱暴者と見做し此の場に切捨てるというお覚悟なら、遺憾ながら腕の続く限り
根限りお相手致します、如何に御処分下さるか」 と詰寄せまする。橋の上から四辺は....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
、雇人総勢京橋のある河岸端から新宿、下谷、本郷のかけ離れた場所まで配達し、精限り
根限り働いて、それでただ生活して行くだけであると云う。競争の激甚な東京で、無事に....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ても父としましては、子としての私を愛してはおります。で、私が願いましたならば――
根限り命限り願いましたならば、あなたを私の妻として、輿入れさせるということを、き....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
がなくとも、二人でさしあって蒲団にはいっていると、平和な気持ちになる。いゝものを
根限り書こう――。 二月八日 朝六枚ばかりの短編を書きあげる。 此六枚ばか....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ス」の通信員ジョン・ハッチソン。
印東の方はドーラン化粧の上に汗さえ浮かせ、精
根限り駆けずり廻ったあとのように肩で大息をしている。折角の引眉毛が眼尻の方へ八の....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
ではなし、一世一代に、手妻の一点張りで舞台《みせ》を張ってみてえ気もあってひとつ
根限り、幻妖《げんよう》摩訶《まか》不思議てえところを腕によりをかけて見せてえ気....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
、それにしても運のええお人よ。 遊一 そうだってのう。俺達も早く飛出して、腕限り
根限り斬ったり射ったりしてえもんだ。 隊士一が小走りに崖の方の路を降って来て門....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
生樹の悲鳴、建物の響き。地を叩く雨声、空に転がる雷《いかずち》、耳へ口を寄せても
根限り呶鳴らなければ通じない。と、この時、ううと唸ってまたぞろ甚右衛門が走り出し....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
いる。 与惣次は答えようとした。声が出なかった。自分と自分が哀れになって、彼は
根限り哭《な》き喚《わめ》いた。後からあとからと大粒な涙がこみ上げて来た。それが....
「審判」より 著者:カフカフランツ
うとすれば十分だったが、Kは抵抗した。 「もう大いに力を振うというどころでなく、
根限りの力をつかってみよう」と、彼は考えた。脚を引っ張られながら、蠅取紙から逃げ....