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「格別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

格別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
どうしても素直には取り上げなかった。 「これがまだあたしの耳へはいらない前ならば格別だけれども――お芳の手前も羞《はずか》しいやね。」 お鈴はやむを得ずお芳の....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
を出してくれません。時に先生は、いかがでございますな、歌とか発句とか申すものは、格別お好みになりませんか。」 「いや私《わたし》は、どうもああいうものにかけると....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
ついた、いかにも落着きのある座敷だった。私の世話を焼いてくれる別荘番の夫婦者は、格別用のない限り、いつも勝手に下っていたから、このうす暗い八畳の間《ま》は大抵森....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
ながら、小えんとのいきさつを聞かされたんだ。小えんにはほかに男がある。それはまあ格別《かくべつ》驚かずとも好《よ》い。が、その相手は何かと思えば、浪花節語《なに....
」より 著者:芥川竜之介
て、机の上の封書を取上げた。それは白い西洋封筒に、タイプライタアで宛名を打った、格別普通の商用書簡と、変る所のない手紙であった。しかしその手紙を手にすると同時に....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
りも月見|旁《かたがた》、日の暮から大川へ舟を出そうと云うのです。勿論私にしても格別釣に執着があった訳でもありませんから、早速彼の発議《ほつぎ》に同意して、当日....
河童」より 著者:芥川竜之介
かし河童はカンガルウのように腹に袋を持っていますから、それらのものをしまう時にも格別不便はしないのです。ただ僕におかしかったのは腰のまわりさえおおわないことです....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
。その時何か冷たい物が、べたりと彼女の背中に触《ふ》れた。 「しっ!」 彼女は格別驚きもせず、艶《なまめ》いた眼を後《うしろ》へ投げた。そこには小犬が尾を振り....
煙管」より 著者:芥川竜之介
にあきれたらしい。 「いくらお前、わしが欲ばりでも、……せめて、銀ででもあれば、格別さ。……とにかく、金無垢だぜ。あの煙管は。」 「知れた事よ。金無垢ならばこそ....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
った。これは第一に法律があり、第二に人民の道徳があり、わざわざ考えて見ないでも、格別不自由はしなかったからである。) じょあん孫七《まごしち》を始め三人の宗徒....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
く不愉快になっただけである。 しかし、内蔵助《くらのすけ》の笑わなかったのは、格別二人の注意を惹かなかったらしい。いや、人の好い藤左衛門の如きは、彼自身にとっ....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
たつきめ》に北京へ来ることになった。同僚《どうりょう》や上役《うわやく》の評判は格別|善《い》いと言うほどではない。しかしまた悪いと言うほどでもない。まず平々凡....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
るうちに挨拶《あいさつ》ぐらいはし合うようになったある十五六の中学生だった。彼は格別美少年ではなかった。しかしどこか若木《わかぎ》に似た水々しさを具えた少年だっ....
」より 著者:芥川竜之介
は申せませんがな。――しかし、貴方《あなた》がたは、そんな話をお聞きなすっても、格別面白くもございますまい。」 「可哀そうに、これでも少しは信心気《しんじんぎ》....
初雪」より 著者:秋田滋
だからね」 その日は暇さえあると二人は接吻ばかりしていた。で、彼女はその一日を格別長いとも思わなかった。二人はその翌日も同じようなことをして暮してしまった。こ....