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格外
「格外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
格外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
十五 長二は母の年回の法事に、天竜院で龜甲屋幸兵衛に面会してから、
格外の贔屓を受けていろ/\注文物があって、多分の手間料を貰いますから、活計向も豊....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
い金等下しおかれ、おかげをもって引き続き相勤め来たり候えども、近年馬買い入れ値段
格外に引き揚げ、仕替馬買い入れの儀も少金にては行き届かず、かつまた、嶮岨の往還|....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
御謡初御囃子の節、藩主|長知公御手ずから御袴を拝領仰付られた。これは能楽師として
格外の名誉で、武功者が主君の御乗馬を拝領したのと同格である。 明治元年(翁五十....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を図った先駆で、大きい子を多く生みさえすれば実は誰の種でもよいという了簡、これは
格外として、戦国の末わずか十年内に楚王后が生んだ黄歇の子と秦王后が生んだ呂不韋の....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
く、寿命は四十歳と聞いて犬震い上り、そんなに骨折って骨ばかり食えとは難儀極まる。
格外の御慈悲に寿命を二十歳で御勘弁をと言うもおわらぬに人間また進み出で、さほどに....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
神の怒り最早安まっただろとて豕を赦免の令が出た。その後予フィダーに著いた時豕の値
格外高かったので、よほどの多数が殺されたと知ったと(ピンカートンの『海陸紀行全集....
「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」より 著者:宮本百合子
絶したのであったが、ゴーリキイも自分の文筆の意味を全く正しく評価し、当時としては
格外に高い原稿料を払ってその作をのせるという誘惑的な申出に勝った。 この場合、....
「昭和十五年度の文学様相」より 著者:宮本百合子
も云える種類のものである。私たちが偏らない心で今年の文学を思いかえしたとき法外・
格外の傑作、問題作、前進的作品というものは作品活動一般についてなかったと判断する....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
したが、頓着せず、 「友造どん、お前の槍の手筋はどこで習ったか知らないが、まるで
格外れで、それで、ちゃんと格に合っているところが妙だわい。拙者の如きは、これでも....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
屋財、家財、身上ありたけを詰込んだ、と自ら称える古革鞄の、象を胴切りにしたような
格外の大さで、しかもぼやけた工合が、どう見ても神経衰弱というのに違いない。 何....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
から婿をもらうことになった。婿はここらでも旧家と呼ばれる家の次男で、家柄も身代も
格外に相違するのであるが、お杉の容貌を望んで婿に来たいというのである。もちろん相....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
もいいのであろうかと念を押すように自分にきいた。勿論、普通の奉公人の親に対しては
格外の下され物である。母の怪しむのも無理はなかった。彼女は母に安心をあたえる為に....
「くだもの」より 著者:正岡子規
に、路の傍に木いちごの一面に熟しているのを見つけた。これは意外な事で嬉しさもまた
格外であったが、少し不思議に思うたのは、何となく其処が人が作った畑のように見えた....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
な幸福を享けて、
跡で顧みると、どんな神の恵も夢かと思われます。
あなたなんぞは
格外な恵を受けておいでになる。
生涯お逢になった男は、どんな大胆な、思い切った
....
「それから」より 著者:夏目漱石
点している、のみならず、梅雨《つゆ》に入った蚤《のみ》の如く、日毎《ひごと》に、
格外の増加律を以《もっ》て殖えつつある。代助はかつて、これを敗亡の発展と名づけた....