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格好
「格好〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
格好の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
屋の中を指さした。
小屋の中には、破れ畳を一枚、じかに地面へ敷いた上に、四十|
格好《がっこう》の小柄な女が、石を枕《まくら》にして、横になっている。それも、肌....
「母」より 著者:芥川竜之介
時もそれが遠くから、だんだんこちらへ近づいて来ると、出窓に面した廊下には、四十|
格好《がっこう》の女中が一人、紅茶の道具を運びながら、影画《かげえ》のように通り....
「或る女」より 著者:有島武郎
は取りあえずそこにはいって、人目を避けながら顔を洗わしてもらおうとした。
四十
格好の克明《こくめい》らしい内儀《かみ》さんがわが事のように金盥《かなだらい》に....
「或る女」より 著者:有島武郎
倉地さんをびっくらさして上げますわ。わたしの妹|分《ぶん》に当たるのに柄といい年
格好といい、失礼ながらあなた様とそっくりなのがいますから、それのを取り寄せてみま....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
っこう》の耳こじりをちょこんと極《き》めて、手首に輪数珠《わじゅず》を掛けた五十
格好の婆《ばばあ》が背後向《うしろむき》に坐ったのが、その総領《そうりょう》の娘....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
も過ぎたと思うに蚕籠はまだいくつも洗わない。おとよは思い出したように洗い始める。
格好のよい肩に何かしらぬ海老色の襷をかけ、白地の手拭を日よけにかぶった、顋のあた....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
り、「おれが手のすじを見てやろう」と、右の手を出させたが、指が太く短くッて実に無
格好であった。 「お前は全体いくつだ?」 「二十五」 「うそだ、少くとも二十七だ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ていた。おまけに、生まれつき頑丈な体は墓の中から出て来ても依然として怪物のような
格好をしていた上に、忌にぶくぶくと水ぶくれがして、その体のうちには腐った水がいっ....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
れは唐人の姿をした男が、腰に張子で作った馬の首だけを括り付け、それに跨ったような
格好で鞭で尻を叩く真似をしながら、彼方此方と駆け廻る。それを少し離れた処で柄の付....
「女の話・花の話」より 著者:上村松園
な美しさでした。 山門をはいってずっと奥にゆきますと、鐘楼があって、そこにまた
格好のいい見事な枝垂桜があります。向うから坊さんが一人、ひょろりと出てくるといっ....
「画室談義」より 著者:上村松園
見ていないので笑われはしませんが、だれか垣間見ていたとしたらずいぶんとへんてこな
格好であろうと自分ながらそう思います。 狩野探幽でしたか、あるお寺の襖に千羽鶴....
「最初の出品画」より 著者:上村松園
デルというものがないので鏡台にむかって自分のいろいろな姿態、ポーズというか、その
格好を写しては下絵にとり、こうして最初の「四季美人図」が出来上ったのである。 「....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
袴はいたり、膝にお手々をちゃんとついたり、早や、その手をぬいと伸ばいて、盃を持つ
格好に、のう。」 人に口は利かせない。被布から皺びた腕を伸ばして、目八分に、猪....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
。私はこのとき司会者をつとめたが、会場を見渡すといずれも軍服、軍靴のみすぼらしい
格好ながら同じ理想と目的のため、これほど多くの人々が全国からはせ参じてくれたかと....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
かりである。 私はふと隣りの話声に気がついた。十七、八のきれいな娘をつれた五十
格好の婦人が、私同様眠れぬのか、娘とぼそぼそ話をしている。私もきっかけを見つけて....