桃の節句[語句情報] » 桃の節句

「桃の節句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

桃の節句の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
って三月の三日、すなわちおひな祭りの当日なのです。いうまでもなく太陰暦ですから、桃の節句の桃も咲いているであろうし、桜はもとより満開…… しかし、事ご番所の公....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
周囲にも多かったからで。 相変わらず休みなしで、騒ぎ回っているのは子供ばかり。桃の節句も近いころのことで、姉娘のお粂は隣家の伏見屋から祝ってもらった新しい雛を....
」より 著者:島崎藤村
かするものか。そこは心得ているから安心しておいでよ。」と次郎は言った。 楽しい桃の節句の季節は来る、月給にはありつく、やがて新しい住居での新しい生活も始められ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
老茶が大分|殖えた。小学校に女教員が来て以来の現象である。桃之夭々、其葉|蓁々、桃の節句は昔から婚嫁の季節だ。村の嫁入婿取は多く此頃に行われる。三日三晩村中呼ん....
骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
ひねっていたが、しかし、こうした奇現象の原因は容易に考えられなかった。 新暦の桃の節句の晩であった。 いい月夜であったが店が割合に閑散で、珍らしく客が早く引....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
、それぞれに乗る人の絶えないので船夫の腮も干あがらぬのである。 汐干狩 三月桃の節句に入っての大潮を見て、大伝馬、小伝馬、荷たりも出れば屋根船も出で、江戸ッ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
を聞けば、もう人のこころを浮き立たせずにはおかない春のおとずれである。 三日は桃の節句。雛祭り。白酒。 四日。 江戸の西隅、青山|摩利支天《まりしてん》大....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
って、左の歌を下さいました。 はしきやしマダム・キュリーの絵姿もともにかかげよ桃の節句に。 菱餅と五人囃とその蔭に一葉日記もおくべかりけり。(私はうれしかった....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
行った伊東の芸者のことから、湯河原の天野屋旅館にいることが分った。時に三月三日、桃の節句の真夜中で、五名の刑事は一夜腕を撫し、四日の一番列車で伊東を出発して、湯....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
て飾り立てる事だったのである。 それ故、年に一度の行事とは云いながらも、折が折桃の節句の当日だけに、それが寮の人達には、何となく妖怪めいたものに思われていた。....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
」 「え?」 「これで、叔父貴からまた小遣にありつける」 「おや!」 「今日は、桃の節句。……花世の白酒を飲みがてら、ひとつ、叔父貴を煽《あお》りに行こう。……....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
る』と見えている。 賜氷の節、また氷室《ひむろ》の御祝儀ともいって、三月三日の桃の節句、五月五日の菖蒲《しょうぶ》の節句、九月九日の菊の節句についで古い行事で....
旗岡巡査」より 著者:吉川英治
降りやんではいたが―― きのうからの大雪は、この地方にまでわたっていた。三月の桃の節句だ。雲雀は死んだように黙ってしまい、菜の花も青い麦も雪の下だった。万延元....
俗臭」より 著者:織田作之助
務です。その女の方は綺麗な人でしょうか、云々。 千恵造の三度目の結婚式は、三月桃の節句の吉日に挙行された。義理に迫られてという顔付きを千恵造はしていた。が、元....