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桃李
「桃李〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
桃李の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しも行うに難いことではない。大抵の子は大抵の親にちゃんとこの格言を実行している。
桃李
「
桃李《とうり》言わざれども、下|自《おのずか》ら蹊《けい》を成す」とは....
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
を! 求めよ、求めよ、切に求めよ、口に叫んで、求めよ。沈黙は金という言葉あり、
桃李《とうり》言わざれども、の言葉もあった、けれども、これらはわれらの時代を一層....
「懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
いし》。機未だ熟さず。出る杭《くい》うたれる。寝ていて転ぶうれいなし。無縫天衣。
桃李《とうり》言わざれども。絶望。豚に真珠。一朝、事あらば。ことあげせぬ国。ばか....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
、ジロリと見る顔色《かおいろ》は遠山《えんざん》の眉《まゆ》翠《みどり》を増し、
桃李《とうり》の唇《くちびる》匂《にお》やかなる、実に嬋妍《せんけん》と艶《たお....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
うも知れぬ」と、平安朝時代の家人《けにん》は肚《はら》のなかで呟いた。 唐土の
桃李園の風流になぞらえて、きょうは燭をとって夜も遊ぶというかねての計画であるので....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
》として翠《みどり》も深く、観る者の心までが蒼《あお》く染りそうなに引替え、桜杏
桃李《おうきょうとうり》の雑木《ざつぼく》は、老木《おいき》稚木《わかぎ》も押な....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
うように、当時英国の大学者がことごとくここに集合するようになったのは、いわゆる「
桃李|不レ言《ものいわず》、下自為レ蹊《しもおのずからけいをなす》」である。 ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
して中々素人では無い。「四十年前少壮時、功名聊復自私期、老来不識干戈事、只把春風
桃李巵《サカヅキ》」なぞと太平の世の好いお爺さんになってニコニコしながら、それで....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
〔巻十九・四一三九〕 大伴家持 大伴家持が、天平勝宝二年三月一日の暮に、春苑の
桃李花を見て此歌を作った。「くれなゐにほふ」は赤い色に咲き映えていること、「した....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
なのである。居住に適しない家というのがあるもんですよ。 熱海の伊豆山のはずれに
桃李境という静かな旅館がある。伊豆山もここがはずれで、あたりは海と山ばかり、いさ....
「山道」より 著者:中里介山
いった通り陽春の五月、日はまさしく端午《たんご》の当日であります。沿道の谷々には
桃李《とうり》が笑っている、村々には鯉幟《こいのぼり》がなびいている。霞が村も山....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
》の如き菓物は収斂性食物にして便通を秘結せしむ。 ○杏、林檎、覆盆子《いちご》、
桃李の類は清涼性食物にて便通を促す。 ○水瓜《すいか》、冬瓜《とうがん》、芹《せ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
一カ月前後にして春夏秋の三期を迎送するは、なんとなく夢のごとくに感ぜらるるなり。
桃李開時去夢、一月送迎春夏秋。 (桃やすももの花咲くときに故郷の丘を去り、菊の花....
「三国志」より 著者:吉川英治
声をかけた。 貂蝉は、芳紀十八、その天性の麗わしさは、この後園の芙蓉の花でも、
桃李の色香でも、彼女の美には競えなかった。 まだ母の乳も恋しい幼い頃から、彼女....
「三国志」より 著者:吉川英治
よ……」 ひとり面をおおって、燈下に惨心を噛む夜もあった。 水は温み、春園の
桃李は紅唇をほころばせてくる。 ――ああ、桃の咲くのを見れば、傷心はまたうずく....