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案内記
「案内記〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
案内記の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
に岸本はシャトレエの石橋の畔《たもと》に出た。何処《どこ》へ行くにも彼はベデカの
案内記を手放すことの出来ない程ではあったが、しかし全く自分|独《ひと》りで、巴里....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
私はいわゆる伊達騒動というものに就いて多くの知識を持っていない。仙台で出版された
案内記や絵葉書によると、院本で名高い局政岡とは三沢初子のことだそうで、その墓は榴....
「蒲団」より 著者:田山花袋
と心地悪い。渠は椅子に腰を掛けて、煙草を一服吸って、立上って、厚い統計書と地図と
案内記と地理書とを本箱から出して、さて静かに昨日の続きの筆を執り始めた。けれど二....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
って最後に、その隠したものに尋ねあてて見せる、という仕組みのものである。宝捜しの
案内記のようなものである。一方で、科学者の発見の径路を忠実に記録した論文などには....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
中央の奥宮社殿は、本殿、幣殿、拝殿の三棟に別れて、社務所、参籠所も附属している。
案内記に「四壁|屋蓋畳むに石をもってし」とある通りで、奥宮を中心とする山の町であ....
「案内者」より 著者:寺田寅彦
どこかへ旅行がしてみたくなる。しかし別にどこというきまったあてがない。そういう時に旅行
案内記の類をあけて見ると、あるいは海浜、あるいは山間の湖水、あるいは温泉といった....
「外来語所感」より 著者:九鬼周造
国民を挙げて外来語の排撃につとめている時であった。ハイデルベルクでもベデッカーの
案内記にはグランド・ホテルとなっている旅館もハイデルベルゲル・ホーフと改名してい....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
。四日は好天気で、日光見物である。これは例の筆法で詳細に記入、ほとんど一種の日光
案内記の体裁をなしている。その夜は野口屋に戻って一泊。五日は登山して、湯元温泉の....
「科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
ンドン滞在中、某氏とハンプトンコートの離宮を拝観に行った事がある。某氏はベデカの
案内記と首引で一々引き合わして説明してくれたので大いに面白かった。そのうちにある....
「マレー俳優の死」より 著者:岡本綺堂
めることにして、遂に英国の国旗のもとに置いたのである。これだけのことは郵船会社の
案内記にも書いてあるので、僕はその受け売りをして聞かせると、早瀬君はうなずいた。....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の寂寞道人肩柳や浜路の史跡である。小説の史跡を論ずるのは極楽の名所|図会や竜宮の
案内記を書くようなものだが、現にお里の釣瓶鮨のあとも今なお連綿として残り、樋口の....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
廃兵に逢った。その袖には赤十字の徽章をつけていた。宿に帰って主人から借りた修善寺
案内記を読み、午後には東京へ送る書信二通をかいた。二時ごろ退屈して入浴。わたしの....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
十八日)に平ヶ岳の絶巓に立って鶴ヶ岳を望見することが出来た、以下その紀行を兼ねた
案内記を書くことにする。 附記、平ヶ岳はヒラダケとも呼ぶものあり、けだし山巓平坦....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
子建立のままとするの旧説を宣伝し、その発行に係る法隆寺伽藍諸堂巡拝記などと題する
案内記風の小冊子には、天平十九年の資財帳に和銅四年の作と明記せる中門の力士を以て....
「春風遍し」より 著者:小川未明
者なうちに踏破を試みなかったか、ここにも無性が祟っている。畳の上に臥転んで、山の
案内記を読み、写真をながめて空想に耽ることが、一層楽しかったからでもあります。夏....