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案外
「案外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
案外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
と》だ』と言われたために心臓|痲痺《まひ》を起こしかかったものです。」
「それは
案外多いようですね。わたしの知っていたある弁護士などはやはりそのために死んでしま....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ると、お蓮《れん》は早速彼の妻が、訪ねて来たいきさつを話して聞かせた。が、牧野は
案外平然と、彼女に耳を借したまま、マニラの葉巻ばかり燻《くゆ》らせていた。
「御....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
「いや、疫痢じゃありません。疫痢は乳離《ちばな》れをしない内には、――」Sさんは
案外落ち着いていた。
自分はSさんの帰った後《のち》、毎日の仕事にとりかかった....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
みの残っている縞絽《しまろ》の羽織にも明らかだった。
「行って参りました。どうも
案外待たされましてな。」
神山は浅川の叔母に一礼してから、懐《ふところ》に入れ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
椰子《やし》も葉を垂らしている。――と云うと多少気が利《き》いていますが、家賃は
案外安いのですよ。
主筆 そう云う説明は入《い》らないでしょう。少くとも小説の....
「路上」より 著者:芥川竜之介
眼には、また冷評《ひやか》されはしないかと云う懸念《けねん》があった。が、俊助は
案外|真面目《まじめ》な調子で、
「多端――と云うと?」と問い返した。
「君には....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
ますが、見た所はただの百姓と少しも違った容子《ようす》はありません。それが返って
案外だったのでしょう。医者はまるで天竺《てんじく》から来た麝香獣《じゃこうじゅう....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
わないよ。だから反《かえ》ってこの代りに、もっと派手《はで》な玉を持って行けば、
案外すぐに受け取るかも知れない。」
若者は相手の云う事も、一理ありそうな気がし....
「或る女」より 著者:有島武郎
ても生みたいものだと葉子は祈るように願っていたのだ。定子の事から考えると自分には
案外子運があるのかもしれないとも思った。しかし前の懐妊の経験と今度の徴候とはいろ....
「片信」より 著者:有島武郎
その時は読んだが、それについて何か書いてみようとすると、僕のいわんとするところは
案外少ない。もっとも表題が「階級芸術の問題」というので、あながち僕を教えようとす....
「星座」より 著者:有島武郎
に並外れた空想家で、おまけに常識はずれの振舞いをする男だが、あれできまりどころは
案外きまっていて、根が正直で生れながらの道徳家だ、そういう印象を誰にでも与えてい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。しかしこの新しい普遍的な力によって宇宙物理学的諸現象の説明を試みようとする人は
案外になかったので、一九〇〇年に至って始めて私がこの問題に手をつけて、従来不可解....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
で、現界には全然棲んでいないと申すことでございました。尤も音色が美しい割に毛並は
案外つまらない鳥で、ある時不図近くの枝にとまっているところを見ると、大さは鳩位、....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
も知れない。けれどもまだその外にも僕はいろいろの原因から、どうも俳人と云うものは
案外世渡りの術に長じた奸物らしい気がしていた。「いやに傲慢な男です」などと云う非....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
って黙っていた。全くあんな怪物の前に行くと薄気味の悪いもんだね。そうしたら堂脇が
案外やさしい声で、「失礼ながらどちらでご勉強です、たいそうおみごとだが」と切り出....