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桎
「桎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
桎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
、この最後の機会をも破り捨てようというのはさすがに容易ではなかった。木村といふ首
桎《くびかせ》を受けないでは生活の保障が絶え果てなければならないのだから。葉子の....
「想片」より 著者:有島武郎
るから。結局唯物史観の源頭たるマルクス自身の始めの要求にして最後の期待は、唯物の
桎梏《しっこく》から人間性への解放であることを知るに難くないであろう。
マルク....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
であり、詩に行く人は後者である。詩人とは、その表現の材料を、即ち言葉を智的生活の
桎梏から極度にまで解放し、それによって内部生命の発現を端的にしようとする人である....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
過ぎざるべきを思いぬ。母に逆らうの苦はすでになめたり。 広い宇宙に生きて思わぬ
桎梏にわが愛をすら縛らるるを、歯がゆしと思えど、武男は脱るる路を知らず、やる方な....
「科学論」より 著者:戸坂潤
処のそれのための形式としての一定の生産諸関係は、却って、生産力の発達を妨げる処の
桎梏という形にまで転化して了う。物質的生産力とこの一定の生産諸関係とは矛盾する事....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
。今やハイデッガーに於ては、文献学乃至解釈学は、そのプロパーな言語学的又歴史学的
桎梏から脱して、正に哲学そのものの方法にまで羽化登仙するのである。文献学にとって....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
、かつて生産力に相応し得た処の一定の生産関係は、却って、生産力の発達を妨げる処の
桎梏にまで転化して了う。物質的生産力とこの一定の生産諸関係とは矛盾することとなり....
「辞典」より 著者:戸坂潤
が旧来の生産関係と矛盾に陥る。かくて社会の生産関係は生産力の発展の形態から、その
桎梏へと逆転する。生産力の発展はこの
桎梏を打開して新しい生産関係を自分に適した形....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
高め、浄化させんがために、一方では人格主義の、いわゆる人格の意味を、個人主義的な
桎梏から解放して、これは社会的人間に鋳直すことにより、人格主義と社会幸福主義とを....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
新たになり、確かに北から吹いている。夜は英国の夜のごとくに暗い。あすは、この氷の
桎梏からのがれ得ることを祈る。 九月十七日。再びお化け騒ぎ。ありがたいことに、....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
ICHKEIT に任せてしまわないで、鑑賞者が恣に口を出す事になると、畢竟一つの
桎梏を作家に加えるわけになる。地方色という観念は厳格に考えると、一つの ALLG....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
から、ついそこへ行っている間がなかったりして、いかにもいそがしいこの人生の生活の
桎梏から解放されて、瞑想にふけりたい、そうした念願はなおいまだ達せられないですぎ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
師となっても、前垂掛けで算盤を持っても、文芸に陶酔してペンを持っても、国士という
桎梏から全く解放されたものは先ずなかった。身、欧羅巴の土を踏んで香水気分に浸った....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
る事なく生きて行ける幸を思いつづけている。この北方の都は幸に捨てねばならぬ伝統の
桎梏を持たず、緑の樹間に白雲を望む清澄の空気は、壊滅の後の文化再建を考えるにこの....
「人間否定か社会肯定か」より 著者:小川未明
ぐむのであった。 人間性を信じ、人間に対して絶望をしない私達もいかんともし難い
桎梏の前に、これを不可抗の運命とさえ思わなければならなくなってしまった。 しか....