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桐
「桐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
桐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
を見積《みつも》ることに異常の才能を生じている。現に夏休みの一日前に数学を教える
桐山《きりやま》教官のお父さんの葬列の通った時にも、ある家の軒下《のきした》に佇....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
のほかに、装飾らしい装飾は一つもない。壁に沿うては、五十に余る本箱が、ただ古びた
桐の色を、一面に寂しく並べている。障子の紙も貼ってから、一冬はもう越えたのであろ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
》きこみました。しかも私が俥《くるま》の上へ靴の片足を踏みかけたのと、向うの俥が
桐油《とうゆ》を下して、中の一人が沓脱《くつぬ》ぎへ勢いよく飛んで下りたのとが、....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
ありませんか。――どこか西洋の町なんでしょう。こう敷石があって、まん中に何だか梧
桐《あおぎり》みたいな木が立っているんです。両側はずっと西洋館でしてね。ただ、写....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
ある夏の日、笠をかぶった僧が二人《ふたり》、朝鮮《ちょうせん》平安南道《へいあんなんどう》竜岡郡《りゅうこうぐん》
桐隅里《とうぐうり》の田舎道《いなかみち》を歩いていた。この二人はただの雲水《う....
「老年」より 著者:芥川竜之介
、七宝《しっぽう》に花菱《はなびし》の紋が抉《えぐ》ってある、華奢《きゃしゃ》な
桐の見台《けんだい》にも、あたたかく反射しているのである。その床の間の両側へみな....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
おすす》め下さいました。
「どうじゃ、その汁の味は? それはこの島の名産の、臭梧
桐《くさぎり》と云う物じゃぞ。こちらの魚《うお》も食うて見るが好《よ》い。これも....
「或る女」より 著者:有島武郎
も昔のままの構えで、まばらにさし代えた屋根板と、めっきり延びた垣添《かきぞ》いの
桐《きり》の木とが目立つばかりだった。砂きしみのする格子戸《こうしど》をあけて、....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
中だ。ところがね、ちょうどその晩兼六園の席貸しな、六勝亭、あれの主翁《あるじ》は
桐田《きりた》という金満家の隠居だ。この夫婦とも、何者の仕業《しわざ》だか、いや....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に縁組みした令嬢たちも、皆そこから通学した。別家のようで且つ学問所、家厳はこれに
桐楊塾と題したのである。漢詩の嗜がある軍医だから、何等か
桐楊の出処があろう、但し....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の記念で、峠を越えます日の暮なんぞ、随分それがために気丈夫なんですが、謹のために
桐油に包んで、風呂敷の結び目へ、しっかり封をつけておくのですが、」 「やはり、お....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
いて、のほんと脊が高いのに、その揚げる凧は糸を惜んで、一番低く、山の上、松の空、
桐の梢とある中に、わずかに百日紅の枝とすれすれな所を舞った。 大風来い、大風来い....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
の下着の端、媚かしきまで膝を斜に、三枚襲で着痩せのした、撫肩の右を落して、前なる
桐火桶の縁に、引つけた火箸に手をかけ、片手を細りと懐にした姿。衣紋の正しく、顔の....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
待っていると、宿で言うので。 杖と並んで、草鞋を穿く時、さきへ宿のものの運んだ
桐油包の荷を、早く背負って、髪を引きしめた手拭を取って、颯と瞼を染めて、すくむか....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
分拳匪の乱を謳ったものらしいが、その中の第七首“粛府”にこういうのがあるそうだ。
桐葉分封二百余、蒼々陰護九松居、 無端燬倣渾間事、同病応憐道士徐。 この詩....