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桐油
「桐油〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
桐油の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
》きこみました。しかも私が俥《くるま》の上へ靴の片足を踏みかけたのと、向うの俥が
桐油《とうゆ》を下して、中の一人が沓脱《くつぬ》ぎへ勢いよく飛んで下りたのとが、....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
いませんから、仕方がなしに其の頃だから駕籠を一挺《いっちょう》雇い、四ツ手駕籠に
桐油《とうゆ》をかけて、
新「何卒《どうか》亀有まで遣《や》って、亀有の渡《わ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
さもめん》の風呂敷包《ふろしきづつみ》の角《かど》ばったのを首に結《ゆわ》えて、
桐油合羽《とうゆがっぱ》を小さく畳《たた》んでこいつを真田紐《さなだひも》で右の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を蒙《こうむ》って、ちょっとのぞかせて頂きます」 再び丁寧にことわって、半七は
桐油紙《とうゆ》を着せてある駕籠の垂簾《たれ》を少しまくりあげると、中には白い着....
「旅行の今昔」より 著者:幸田露伴
のは文明の庇陰なのですから、今後はもう「きりをの草鞋」「紺の甲掛け」「三度笠」「
桐油合羽」「振り分けにして行李を肩に」なんていう蛮カラ的の事は要せぬようになりま....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
赤脛に脚絆、素足に草鞋、かっと眩いほど日が照るのに、笠は被らず、その菅笠の紐に、
桐油合羽を畳んで、小さく縦に長く折ったのを結えて、振分けにして肩に投げて、両提の....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
片山津の方へ行く道だよ。」 「そうか――そこの中ほどに、さきが古道具屋と、手前が
桐油菅笠屋の間に、ちょっとした紙屋があるね。雑貨も商っている……あれは何と言う家....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の記念で、峠を越えます日の暮なんぞ、随分それがために気丈夫なんですが、謹のために
桐油に包んで、風呂敷の結び目へ、しっかり封をつけておくのですが、」 「やはり、お....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
\と転がり落ちましたが、よい塩梅に車が反りません、機みで梶棒が前に下りたから、前
桐油を突き破って片足踏み出すと、 庄「思い知ったか」 と組附くように合口を持っ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
りりとして裾短に、繻子の帯を引結んで、低下駄を穿いた、商売ものの銀流を一包にして
桐油合羽を小さく畳んで掛けて、浅葱の切で胴中を結えた風呂敷包を手に提げて、片手に....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
閉じる襖や障子の音もする。宏大な屋敷の模様である。トンと駕籠が下へ置かれた。紐や
桐油を除ける音。それからピ――ンと錠の音がした。 「よろしゅうござるかな?」「逃....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
往きますが、日暮方から遣りますから、山国の事ゆえ天気の好いのは当にならないから、
桐油を掛けて往きなと云って、鹽原と大きく書いてあるのを掛けてやりますから、見違え....
「おせん」より 著者:邦枝完二
、しちゃァいられねえよ。――いいからこっちへ這入ンねえ」 不機嫌な春重の顔は、
桐油のように強張っていた。 「へえってもいいかい」 「帰るんなら帰ンねえ」 「い....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
待っていると、宿で言うので。 杖と並んで、草鞋を穿く時、さきへ宿のものの運んだ
桐油包の荷を、早く背負って、髪を引きしめた手拭を取って、颯と瞼を染めて、すくむか....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
皮を下げて置けよ、下駄をはいてはならぬ、傘をさしてはならぬ、木綿合羽はもちろん、
桐油合羽をも着てはならぬ、髪の結び方をも区別せよ、芝居などの如き人だかりの場所に....