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「桑園〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

桑園の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命論者」より 著者:国木田独歩
としより》夫婦と其ころ十六七になる娘が住《すん》で居ました。以前は立派な士族で、桑園《くわばたけ》は則《すなわ》ち其屋敷跡だそうです。此《この》老人《としより》....
画の悲み」より 著者:国木田独歩
書く、手本を本にして生意気にも実物の写生を試み、幸い自分の宅から一丁ばかり離れた桑園の中に借馬屋があるので、幾度となく其処の厩に通った。輪廓といい、陰影といい、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て、児玉は村を去ってしまって、もはや就いて学ぶべき師もなかった。馬籠の万福寺には桑園和尚のような禅僧もあったが、教えて倦まない人ではなかった。十三歳のころ、父吉....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ことを覚えているが、今度上京して見ると、その辺は一面の原だ。大小の武家屋敷の跡は桑園茶園に変わったところもある。彼が行く先に見つけるものは、かつて武家六分町人四....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
した者があった。部落の東北部を起伏しながら走っている丘の中腹に歯噛みつき、其処に桑園を拓いて、これまで副業にしていた養蚕を純然たる生業にした数家族があった。 ....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
ところがここに桑の木というものがある。養蚕《ようさん》の事が近来、めっきり衰えて桑園を作畑に復旧する数も少なくない。新百姓としての弥之助は、附近の桑園を買い取っ....
河霧」より 著者:国木田独歩
れは思った、『たぶん子供もできていることだろう。』 かれはそっと内をのぞいた。桑園の方から家鶏が六、七羽、一羽の雄に導かれてのそのそと門の方へやって来るところ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
との嫌いな人間が、妙なことで至って不面目な給金取りの経験をした。それは札幌市内の桑園という土地で、信州出身の金子氏の家に客となっているうち、北海炭鉱会社の社長が....
桑の虫と小伜」より 著者:佐藤垢石
欅や椋、榎などの大樹が生い茂り、北側は、濃い竹林が掩いかぶさっている。東側は厚い桑園に続いていて、南側だけが、わずかに野道に接しているが、一人で釣っているには、....
酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
きた妙義から角落の奇峭を飾る錦繍の色は、燃え立つほどに明るかった。横川宿あたりの桑園の葉も、緑に艶々しい。 さくらもみじは、熊の平の駅へはいって漸く散りそめて....
自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
出された広い石礫地区ができております。それをここでは、とくにその部分を春蚕専用の桑園地として利用しております。発芽も赤土の処よりは早く、まことに好都合だといって....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
て税関の調査を受け、午後五時半、リヨンに着す。途中車窓より一望するに、農田多くは桑園なり。 走出、午風漸動車窓冷、看過廬尼河上村。 (汽車は瑞の山よりいでて仏の....