桜ん坊[語句情報] » 桜ん坊

「桜ん坊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

桜ん坊の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
かのように」より 著者:森鴎外
五月と云う詞があります。桜の花もないことはありませんが、あっちの人は桜と云う木は桜ん坊のなる木だとばかり思っていますから、花見はいたしません。ベルリンから半道《....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
く近くきこえるばかりである。それは近在から野菜や果物を送って来る車で、このごろは桜ん坊が最も多いということであった。その以来わたしは桜ん坊を食うたびに、並木の靄....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
ルな駆使である。「大地」の場合においても、たとえば三人の管理人が小高い所へ立って桜ん坊か何かつまんでは吐き出しながらトラクターの来るのをながめているところがある....
子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
ながらよく唄を唄う。 ――あああ! もう直ぐいろんな実の時節だ。あなたの国でも桜ん坊や黒苺できますか? なんでもあるんでしょ? あっちでは。 ――日本に黒苺....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
うです。メロンの上もの、五ヶ入りが米一俵の価でした由。大衆向のものはから駄目で、桜ん坊は前年の半価の由です。 結婚の問題がやっと落着したばかりだそうで、そんな....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
、僕すっかりおなかが空《す》いてるんです」とアリョーシャは愉快そうに答えた。 「桜ん坊のジャムはどうかえ? ここにあるんだよ。覚えてるかな、おまえは小さい時分に....
裸木」より 著者:豊島与志雄
坊は、日によって感じがちがう。林檎のような時もあるし、水蜜桃のような時もあるし、桜ん坊のような時もある。 ――赤ん坊は、変に股が太って足先が痩せて、腕が痩せて....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
音楽のように響く言葉のなまり、一言のうちにほとばしるその情愛、口から口へ移し合う桜ん坊、それらは皆燃え上がり、天国の栄光のうちに包まるる。美しい娘たちは楽しくそ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
お前はごく小さい時はほんとにいたずらだった。いろんなわるさをしていた。自分の耳に桜ん坊を入れてしまったこともある。しかしそれはみな過去のことだ。人形を抱いて通っ....
冬の王」より 著者:森鴎外
色々の為事をするのを見た。薪を割っている事もある。花壇を掘り返している事もある。桜ん坊を摘んでいる事もある。一山もある、濡れた洗濯物を車に積んで干場へ運んで行く....
薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
く近くきこえるばかりである。それは近在から野菜や果物を送って来る車で、このごろは桜ん坊が最も多いということであった。それ以来わたしは桜ん坊を食うたびに、並木の靄....