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「桜時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

桜時の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
んぼ》、其の向《むこう》に道灌山《どうかんやま》が見える。折しも弥生《やよい》の桜時、庭前《にわさき》の桜花《おうか》は一円に咲揃い、そよ/\春風の吹く毎《たび....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っていた。天保以来、参詣の足が少しゆるんだとはいいながら、秋の会式についで、春の桜時はここもさすがに賑わって、団子茶屋に団扇の音が忙がしかった。すすきの木菟は旬....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
った。汽車の中には桜のマークをつけたお上りさんの人達がいっぱいあふれていた。 「桜時はこれだから厭ね……」 一つの腰掛けをやっとみつけると、三人で腰を掛ける。....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
いで居るから、仲間の者が参会の崩れ 「根津へ行って遊んで御覧なさらんか、ちょうど桜時で惣門内を花魁の姿で八文字を踏むのはなか/\品が好く、吉原も跣足で、美くしい....
宝に食われる」より 著者:宮本百合子
いる公園を飽かず歩き廻った。三月末から四月五六日頃にかけての奈良の自然の快よさ!桜時分だから東大寺の、銭を払っては一撞きつかせる焚鐘が殆ど一日じゅう鳴りづめだ。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、同断ノ挨拶故ソレモ呑マシタ、ソノウチニ日ガ入ッタ故、諸方ヘ提灯ガトボルシ、折柄桜時故ニ風景モ一入《ひとしお》ヨク、段々ト揚屋ノ太夫ガ道中スルカラ、二階ヨリ見セ....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
「まア元服なすって、よくお似合で、そして本当によいお住居でまアお広くって綺麗で、桜時分は嘸好うございましょう、そして高台で、のんびりとなさいましょうねえ、私など....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
々やるものだそうです。誰でも五月は体の工合にこたえるという話が出ました。私は例年桜時分が苦しいのだけれども、この頃は桜の季節もずったのかしら、今頃に。 それで....
南国太平記」より 著者:直木三十五
「辞世じゃ 思ふことまだ及ばぬに消ゆるとも 心ばかりは今朝の白雪 出雲、桜時じゃに、雪がちらちらして参った。天にも異変があると見えるのう」 出雲は、空....
良夜」より 著者:饗庭篁村
辺三四ヶ所の地所家作の差配をなす者なりとぞ。予がこの家に宿して八日目の事なりき。桜時なり、三社の祭りなり、賑い言わん方なしといえば、携え来りし着替を出し、独り夕....