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桜餅
「桜餅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
桜餅の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「牡丹」より 著者:宮本百合子
、却って近くで見るに増した趣がある。掌に、皮が干上って餡から饐《すえ》た臭のする
桜餅をとって貰いながら石川は、 「――来年は一つ株分けをやりましょうな」 と云っ....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
浄なものとしてあるのだが、それらのことが柏餅を生み椿餅を生み、そして編笠餅や乃至
桜餅を生んだと見ても差支えないように考える。 殊に昔、支那や朝鮮の種族が、日本....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
木母寺《もっぽじ》には梅若塚《うめわかづか》、長明寺《ちょうみょうじ》門前の
桜餅、三囲神社《みめぐりじんじゃ》、今は、秋葉《あきば》神社の火のような紅葉だ。....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
本全国津々浦々まで行き渡ったことは、私として愉快に感じる。 なおこのついでに葉
桜餅のことを言っておくのも無駄ではあるまい。これはだいぶ後で、大正も終りの方のこ....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
さをのこすや否やは未知数に属するが、かかる人体の部分的写生は昔に見ない所である。
桜餅ふくみえくぼや話しあく みさ子 夏瘠や粧り濃すぎし引眉毛 和香女 夏....
「競漕」より 著者:久米正雄
漕が初まろうというころになったら、珍らしい夕凪が来た。 選手は皆、長命寺の中の
桜餅屋の座敷で、樺色のユニフォームを着た。それが久野には何だか身が緊ったように感....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
な鈴も黒ずんでいました。下った五色の布を引いて拝します。その後側の裏門を出ると、
桜餅で有名な長命寺の門前で、狭い斜めの道を土手に上ると言問です。 牛の御前の向....
「霊廟」より 著者:永井荷風
》に休んだ。しかしその時には自分を始め誰一人霊廟を訪《と》おうというものはなく、
桜餅に渋茶を啜《すす》りながらの会話は如何にすれば、紅葉派《こうようは》全盛の文....
「娘」より 著者:岡本かの子
じるものであろう。 室子は、隅田川を横切って河流の速い向島側に近く艇を運んで、
桜餅を買って戻る蓑吉を待っていた。 水飴色のうららかな春の日の中に両岸の桜は、....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
なって来るのよ。」 そばから、三浦は、はッきりそう結論を下すようにいった。――
桜餅やの裏っ側に二三本咲き残ったコスモスも、その下にすくんだ鶏のかげも、柳北の碑....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
のことを思い出した。 僕等はその時にどこへ行ったのか、兎に角伯母だけは長命寺の
桜餅を一籠膝にしていた。すると男女の客が二人僕等の顔を尻目にかけながら、「何か匂....