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桝
「桝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
桝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
囲の高土間《たかどま》を見まわして、その挨拶の相手を物色しました。するとすぐ隣の
桝《ます》に派手《はで》な縞の背広を着た若い男がいて、これも勝美夫人の会釈の相手....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
酒屋を探しあてて、表から店口を覗いてみると、小皿の山椒《さんしょ》をつまみながら
桝酒を旨そうに引っかけている一人の若い中間風の男があった。 半七は手拭を出して....
「家霊」より 著者:岡本かの子
めき入った。 客席は広い一つの座敷である。冷たい籐《とう》の畳の上へ細長い板を
桝形《ますがた》に敷渡し、これが食台になっている。 客は上へあがって坐ったり、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
津の国屋の親戚で、下谷に店を持っている池田屋十右衛門、浅草に店を持っている大
桝屋弥平次、無宿のならず者熊吉と源助、矢場女お兼、以上の五人は神田の半七と桐畑の....
「蠅男」より 著者:海野十三
れはどないしまひょうか」 「あああの空気孔か」と、総一郎は白い天井の隅に、一升|
桝ぐらいの四角な穴が明いている空気抜きを見上げた。そこには天井の方から、重い鋳物....
「地球盗難」より 著者:海野十三
つに割れ、左右に開いた。 「あッ……」 割れた板の下から現れて来たのは、四角な
桝のようなものが六つ。底には硝子が貼ってあった。 「これは何だろう……」 佐々....
「断層顔」より 著者:海野十三
に憤りの色を見せ、つんと顔を立てた。 「あたくしのつれあいは碇曳治でございます。
桝形探険隊の一員でございますわ。そう申せばお分りでもございましょうが、
桝形探険隊....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
うな恐怖を感ずるのであった。実に戦慄すべきことではある。 なぜ彼は、原稿用紙の
桝目のなかに一字も半画も書けないのであるか。そして毒|瓦斯の試験台に採用された囚....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。」 黙って瞬でうなずいた目が消えると、たちまち井戸端へ飛んだと思う、総長屋の
桝形形の空地へ水輪なりにキャキャと声が響いた。 「放れ馬だよ、そら前町を、放れ馬....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て念を押して見たような次第で……。』 答『それも悪いとは申さぬが、しかし一|升の
桝には一|升の分量しか入らぬ道理で、そなたの器量が大きくならぬ限り、いかにあせっ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
侠客は、髀肉の歎に堪えなかったに相違ない。かと思えば、桶屋の息子の、竹を削って大
桝形に組みながら、せっせと小僧に手伝わして、しきりに紙を貼っているのがある。通り....
「端午節」より 著者:井上紅梅
払われて、ぼんやりとして稻香村(菓子屋)の前まで来ると、店先にぶらさげてある一斗
桝大の広告文字を見た。「一等幾万円」にはちょっと心が動いたが、あるいは足の運びが....
「白光」より 著者:井上紅梅
ころは一つの謎の中に蔵されてある。 「右へ廻れ、左へ廻れ、前へ行け、後ろへ行け、
桝目構わず量れ金銀」 この謎について陳士成はつねづね心に掛けて推測していたが、....
「暗号数字」より 著者:海野十三
定することが分ったので、帆村は躍りだしたいほどの悦びを感じた。 それはいずれの
桝形の中の数字であろうか。 結論を先にいうと、H=5、I=9 と決定するのであ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
にさやさやと靡いていた。朽ちかかったあぶない橋を渡って、二人は大手の門を入ると、
桝形の石垣もくずれ落ちて、大きい石がそこにも此処にもころげていた。男は草を分けて....