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桟橋
「桟橋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
桟橋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
いものが、重そうにつづいているのは、丁度、今が盛りの桜である。言問《こととい》の
桟橋《さんばし》には、和船やボートが沢山ついているらしい。それがここから見ると、....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
五月十六日の午後四時頃、僕の乗っていた※江丸《げんこうまる》は長沙《ちょうさ》の
桟橋へ横着けになった。
僕はその何分か前に甲板の欄干《らんかん》へ凭《よ》りか....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
、天秤《てんびん》をにないながら両国の橋を通った時にも、大川は今のごとく、船宿の
桟橋《さんばし》に、岸の青蘆《あおあし》に、猪牙船《ちょきぶね》の船腹にものうい....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
び熊笹を掻き分けて行った。するとしばらくして向うの岸へ、藤蔓《ふじづる》を編んだ
桟橋《かけはし》が、水煙《みずけむり》と雨のしぶきとの中に、危く懸っている所へ出....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
木の片《きれ》が黄緑色に濁った水面を、一面におおっている。どうも、昔、森さんの「
桟橋《さんばし》」とかいうもので読んだほど、小説らしくもなんともない。
麦わら....
「或る女」より 著者:有島武郎
を見てください」
この時突然「田川法学|博士《はかせ》万歳」という大きな声が、
桟橋《さんばし》からデッキまでどよみ渡って聞こえて来た。葉子と古藤とは話の腰を折....
「或る女」より 著者:有島武郎
られるのも開港場らしい風情《ふぜい》を添えていた。
遠く海のほうを見ると税関の
桟橋に繋《もや》われた四|艘《そう》ほどの汽船の中に、葉子が乗って帰った絵島丸《....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いのだ。建網に損じの有る無し、網をおろす場所の海底の模様、大釜を据えるべき位置、
桟橋の改造、薪炭の買い入れ、米塩の運搬、仲買い人との契約、肥料会社との交渉‥‥そ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
、わッと泣きながら遁出したんです。 路地口の石壇を飛上り、雲の峰が立った空へ、
桟橋のような、妻恋坂の土に突立った、この時ばかり、なぜか超然として――博徒なかま....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
読初め、霜月十日あまりの初夜。中空は冴切って、星が水垢離取りそうな月明に、踏切の
桟橋を渡る影高く、灯ちらちらと目の下に、遠近の樹立の骨ばかりなのを視めながら、桑....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
たは、崩れた壁に、ずたずたの襁褓のみ、猿曵が猿に着せるのであろう。 生命の搦む
桟橋から、危く傾いた二階の廊下に、日も見ず、背後むきに鼠の布子の背を曲げた首の色....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
います、旅店の案内者ぐらいは出ていようと思ったの大きな見当|違。絵に描いた木曾の
桟橋を想わせる、断崖の丸木橋のようなプラットフォームへ、しかも下りたのはただ二人....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
脚を引いたような、斜向うの岸に、月村のそれらしい、青簾のかかった、中二階――隣に
桟橋を張出した料理店か待合の庭の植込が深いから、西日を除けて日蔭の早い、その窓下....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
んで、滝は音ばかり森の中に聞えるのであった。頂なる少年は、これを俯し瞰して、雲の
桟橋のなきに失望した。しかるに倒に伏して覗かぬ目には見えないであろう、尻ッこけに....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
これは蔵前橋です。」 僕等はそこから引き返して川蒸汽の客になるために横網の浮き
桟橋へおりて行った。昔はこの川蒸汽も一銭蒸汽と呼んだものである。今はもう賃銭も一....