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梃子
「梃子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梃子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ないが、廃嫡は廃嫡でも貰《もら》うだけのものは貰わぬと、後へは行けぬ思《おも》て
梃子《てこ》でも動かへんなんだが、親父《おやじ》の言分はどうや。蝶子、お前気にし....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りと横になりながら、ひとたびその手があごのあたりを散歩しはじめたとなったら、もう
梃子《てこ》でも動くものではない。四半刻《しはんとき》、半刻、一刻と、やがて三時....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
」
そう云い切るときに彼の口調は独断めいて響くのであった。よく考えるとそれは、
梃子《てこ》でも動かぬ理づめになっていた。しかし彼が云うと何か重苦しく暗いのだ。....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
本所法恩寺の鈴川源十郎が、自分で乗りこんで来て、三十両の前借をねだって、こうして
梃子《てこ》でも動かずにいる。
五百石のお旗本に三十両はなんでもないようだが、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
た》きをするやら、洗濯をして松の木にほすやら……当家の主人は、こっち側とばかり、
梃子《てこ》でも動かぬ気組み。
「どうにかせねばなりませぬ。いかがいたしたもので....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
たね」 窓の戸は僕がけさしめたままになっていた。実際、僕がステッキでしたように
梃子でも使わなければ、誰でも窓の戸をあけることは出来ないのであった。僕は寝台の中....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
五度になれば沸騰をはじめるんだ。それで、栓がだんだんに持ち上がっていって、尾錠の
梃子を下から押し上げる。扉は明く、そうして、エーテルの噴気で半魔睡に陥ったやつを....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
たEが、第二と第四にあるもの。――それは SEVER(切り放す)か、LEVER(
梃子)か、NEVER(けっして、―打ち消しの)などとなる。哀願に対する返事として....
「屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
に見つからぬお守り。イタチの道切りに用いる尖り杭。火消しの板ぎれ。鰹節ひくときの
梃子の類いなぞと数々の世帯道具をな。二日路も道ノリのある豊崎まで口にくわえて運ん....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
そしてその嘴《くちばし》を距《きょ》の中へ突き込むと、その距《きょ》の中に二つの
梃子《てこ》のようなものが出ていてそれに触《ふ》れる。この
梃子《てこ》ようのもの....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
しばって液中に縦に浮游せしめて下端を器の底に固定し、上端を糸で吊り上げ、糸の先に
梃子をつけ、腸の運動を
梃子に伝わらしめて、之を曲線に書かしめるのですが、私の方法....
「誰が何故彼を殺したか」より 著者:平林初之輔
女は、薬缶の口から、ポンプの活栓《かっせん》のところへ熱湯を注ぎこんで、ポンプの
梃子《てこ》を押しはじめた。この数日来そうしないと、活栓がすっかり円筒の中で氷り....
「審判」より 著者:カフカフランツ
いるうちに、手すりには特別の処置が必要らしく、支店長代理は今度はナイフを取出し、
梃子としてKの定規を取り、手すりを持ち上げようとしたが、おそらくはそうすればもっ....
「妻」より 著者:神西清
余生を送っている、どこへ行こうにも身寄りのない孤児もいる、また坐り込んでしまって
梃子でも動かんという連中もあります。不思議な爺さんですよ。」 ふたたび橇の疾駆....
「はつ恋」より 著者:神西清
顔をした、もじゃもじゃ髪の痩せた男の子が十人ほど、四角な印刷台木を締めつける木の
梃子へ、しょっちゅうとびついて、そんな風に自分たちの虚弱い体の重みでもって、壁紙....