梅が香[語句情報] »
梅が香
「梅が香〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梅が香の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
よろしい。これが、その、れいの山椒魚であったというわけなのであります。私たちは、
梅が香に酔いしれ、ふらふら歩いて、知らず識らずのうちに公園の水族館にはいっていた....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
久三年、旧暦四月に、彼が父の病を祷るためここへ参籠にやって来た日のことは、山里の
梅が香と共にまた彼の胸に帰って来た。あの時同伴した落合の勝重なぞはまだ前髪をとっ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
札幌を立ち、あくる一日を二たび大沼公園の小雨に遊び暮らし、其夜函館に往って、また
梅が香丸で北海道に惜しい別れを告げた。
津軽
青森に一夜|明....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
目に当たる。『そらまめの花』の巻の「すたすた」と「そよそよ」は四句目に当たる。『
梅が香』の巻の「ところどころ」と「はらはら」も四句目である。もちろんこれには規約....
「細木香以」より 著者:森鴎外
「絶筆、おのれにもあきての上か破芭蕉」の句を挙げて置いた。しかし真の辞世の句は「
梅が香やちよつと出直す垣隣」だそうである。
梅が香の句は灑脱の趣があって、この方が....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
得べきものを択《えら》みなば 鶯《うぐひす》や柳のうしろ藪《やぶ》の前 芭蕉
梅が香にのっと日の出る山路かな 同 古寺の桃に米|蹈《ふ》む男かな 同 時鳥....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
―どたりとそのすんなりした背に崩込んで、空色地に雪間の花を染模様の帯のお太鼓と、
梅が香も床しい細りした襟脚の中へ、やたらに顔を押込んで、ぐたりとなった。 「襟脚....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、夕月の影をくだいて満ち潮のなごりが白ら白らと頭越しに流れよるようになる。大空は
梅が香の艶なにおいに朦朧として、月も曇りに近い霞み方である。静艶の夜気の中に身を....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
はと問われれば、年頭、こんな句がたった一つ頭に泛んだのみである。(三二・一・六)
梅が香や四十|初惑と思ひしに 源氏物語といえば、ただちに筆者の紫式部が連想され....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
室までつたわって来た。「お父さんはまたお茶だな。」と思いながら私は障子をしめた。
梅が香の匂いがどの室で焚かれているのか、ゆるく、遠く漂うて来た。 私は夕方から....