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梅暦
「梅暦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梅暦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
《としま》になるだらうと思ふと、今ツから楽しみだわ」という言葉がある。また『春色
梅暦《しゅんしょくうめごよみ》』巻之二に「素顔の意気な中年増《ちゅうどしま》」と....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
む。京伝を読む。人が春水を借りて読んでいるので、又借をして読むこともある。自分が
梅暦《うめごよみ》の丹治郎のようであって、お蝶のような娘に慕われたら、愉快だろう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
まちや》というのは名ばかりで百姓家が多い。時にしもた家があるかと思えば、それは「
梅暦」の丹次郎の佗び住居のような家ばかりである。ふだんから往来の少ない土地である....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をしながら、向う河岸へ渡ってゆくと、その頃の小梅の中の郷のあたりは、為永春水の「
梅暦」に描かれた世界と多く変らなかった。柾木の生垣を取りまわした人家がまばらにつ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
念に一枚ずつ写して行って、幾日かゝったのか知りませんが、兎も角もその年の暮までに
梅暦四編十二冊、しかも口絵から插絵まで残らず綺麗に写しあげてしまったそうです。今....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
教主義であるが、角谷は夜毎の家庭祈祷会などに出るのを厭がって居た。彼の本箱には、
梅暦や日本訳のマウパッサン短篇集が入って居た。
謎は自ずから解ける。
ヱデキ....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
などでやや「人情」がかった読み物への入門をした。親戚の家にあった為永春水の「春色
梅暦春告鳥」という危険な書物の一部を、禁断の木の実のごとく人知れず味わったことも....
「読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
の初期には「椿説弓張月」や「八犬伝」などを読んだ。田舎の親戚へ泊まっている間に「
梅暦」をところどころ拾い読みした記憶がある。これらの読み物は自分の五体の細胞の一....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
寸《ちょっと》吹聴《ふいちょう》して置かなきゃならん事がある。私は是より先|春色
梅暦《しゅんしょくうめごよみ》という書物を読んだ。一体小説が好きで、国に居る時分....
「細木香以」より 著者:森鴎外
津藤さんは人の対話の内に潜んでいて形を現さない。それがめずらしく形を現したのは、
梅暦の千藤である。千葉の藤兵衛である。 当時|小倉袴仲間の通人がわたくしに教え....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
を切ってくれただけで、その日は一日師匠の家にいたけれど、部屋へ閉じ籠って夢中で「
梅暦《うめごよみ》」か何かに読み耽っているらしかった。滅多にでてこず、やっとのび....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
を配合せしむる事|頗《すこぶ》る巧妙なり。為永春水《ためながしゅんすい》の小説『
梅暦《うめごよみ》』の続篇たる『辰巳《たつみ》の園《その》』以下『梅見船《うめみ....
「夏の町」より 著者:永井荷風
つないで、代数や幾何学の宿題を考えた事もあった。同時にまた、教科書の間に隠した『
梅暦《うめごよみ》』や小三《こさん》金五郎《きんごろう》の叙景文をば目《ま》の当....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
して直様《すぐさま》、この頃《ごろ》に愛読した為永春水《ためながしゅんすい》の『
梅暦《うめごよみ》』を思出した。ああ、薄命なあの恋人たちはこんな気味のわるい湿地....
「梅ちらほら」より 著者:吉川英治
て、女性が女性の天真らんまんに生きた時代は、飛鳥、奈良、平安朝までの間であった。
梅暦は、僕は、伏せ字のない帝国文庫本の初版を、少年の頃、たしか二十五銭ぐらいで古....