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梅見
「梅見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梅見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
しなすっても、御心中の御怒りはありありと御顔に読まれました。現に内裡《だいり》の
梅見の宴からの御帰りに、大殿様の御車《みくるま》の牛がそれて、往来の老人に怪我さ....
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
》しましょう。先日私は、素直な書生にさそわれまして(いやな事を言う)井の頭公園の
梅見としゃれたのでありますが、紅梅、白梅、ほつほつと咲きほころび(紅梅は咲いてい....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
に分けて見られる。また例えば、清元の「十六夜清心《いざよいせいしん》」のうちの「
梅見帰りの船の唄、忍ぶなら忍ぶなら、闇の夜は置かしやんせ」のところも同様の形をも....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
て江戸も二月の声をきくと、もう春が近い。 初午《はつうま》に雛市《ひないち》、
梅見に天神祭り、二月の行事といえばまずこの四つです。 初午はいうまでもなく稲荷....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の年は正月早々からとかくに雨の多い春でしたが、二十二三日からからりと晴れて、暖い
梅見日和がつづいたので、浅井の屋敷では主人の因幡守が妾のお早と娘のお春を連れて、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
大かたは踏み固められた。この頃の寒い風もきょうは忘れたように吹きやんで、いわゆる
梅見|日和の空はうららかに晴れていた。高輪の海辺をぶらぶらあるいて行くと、摺れ違....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
途中、菊の咲いた百姓家に床几を据えると、背戸畑の梅の枝に、大な瓢箪が釣してある。
梅見と言う時節でない。 「これよ、……あの、瓢箪は何に致すのじゃな。」 その農....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
であった。両家族の者残らずに宛てゝ、各別に名前を書いてあった。「人並の道は通らぬ
梅見かな」の句が其の中にあった。短冊には、
辞世 一 諸ともに契りし事は半にて....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
すったかと思って、毎度お噂を申して居りました、今日は何方へ」 志「今日は臥竜梅へ
梅見に出かけましたが、
梅見れば方図がないという譬の通り、未だ慊たらず、御庭中の梅....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
でも私はまず年の割合によく歩き得る方である。 浅草方面へ行くのは、まず梅屋敷の
梅見、それから隅田川の花見であった。或る時は屋根舟で花見したことがあった。舟の中....
「円朝の牡丹灯籠」より 著者:田中貢太郎
酒を飲んでいた。 新三郎は其の数ヶ月|前、医者坊主の山本志丈といっしょに亀戸へ
梅見に往って、其の帰りに志丈の知っている横川の飯島平左衛門と云う旗下の別荘へ寄っ....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
なりおよそここらの恋と言うは親密が過ぎてはいっそ調わぬが例なれど舟を橋際に着けた
梅見帰りひょんなことから俊雄冬吉は離れられぬ縁の糸巻き来るは呼ぶはの逢瀬繁く姉じ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
だす度毎にお岸が涙の種ではあったが、踏まれた草にも花咲くたとえの文字通り、去年の
梅見時分から伊勢新の隠居の骨折りで、出させてもらった笠森稲荷の水茶屋が忽ち江戸中....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
マスソウデ、私モマケズニ言文一致デコノ手紙ヲシタタメテ差上ゲマス、今ニ三輪田君ノ
梅見ニ誘ウ文、高津君ノ悔ミノ文ナドヲ凌駕スルコトト思召シ下サイ 久シクオ目ニカカ....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
すい》の小説『梅暦《うめごよみ》』の続篇たる『辰巳《たつみ》の園《その》』以下『
梅見船《うめみのふね》』に至る幾十冊の挿絵は国直の描く処にして余は春水の述作と併....