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梅酢
「梅酢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梅酢の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
に自ら薬をつけてやった。黒瀬から小松ヶ瀬を渉り、菅沼|刑部貞吉の武節の城に入り、
梅酢で渇を医やしたと云う。勝頼の将士死するもの一万、織田徳川の死傷又六千を下らな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、唐がらし。皿の上に小鳥。それに蝋茸のおろしあえ。漬け物。赤大根。おまんが自慢の
梅酢漬けの芋茎。 「半蔵さん、正己が養子縁組のことはどうしたものでしょう。」 ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
木小屋の方から集まって来て、洗いたての芋殻(ずいき)が半蔵の眼前に山と積まれた。
梅酢と唐辛子とを入れて漬ける四斗樽もそこへ持ち運ばれた。色も紅く新鮮な芋殻を樽の....
「鏡の中の月」より 著者:宮本百合子
つも瑞々しいねえ、暑い時はなおさら綺麗だ」 手早く井戸からくみ立ての冷たい水に
梅酢をおとしてすすめた。瀧子は伊達巻姿のまま、息もつかずそのコップをあけた。 「....
「空襲警報」より 著者:海野十三
れから既に生水をお飲みになった方は、急いで医師の診察をうけられるか、それともすぐ
梅酢をちょこに二、三杯ずつ飲んで下さい……」 コレラになっては大変だ。漬物屋へ....
「採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
刺されるか、その前に逸早く奥歯で噛み殺すか、というスリルも共に味わうので、稚鮎を
梅酢に泳がせ、
梅酢を含んだところを生きているまま食うなど、この比ではない。 そ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ぎゃあアぎゃあア! 鴉の群れは、急に厚顔ましく地上へ降りて来て、死骸へたかり、
梅酢を浴びたようになって、驚喜の翼を搏っている。 「うるさい奴」 日観はつぶや....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
なり脇差を抜くなり、乗しかかっている男の腹部へ突きとおした。 「……うッ。ち!」
梅酢の樽へでも手を突っこんだように、柄手から肩半分まで、朱になると、城太郎の頭に....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
うか。 「お。白湯か」 と、尊氏が碗を手にふくんでみると、それは梅香湯だった。
梅酢湯に甘味を加えてよく雨期明けや暑中にくすりとして禅家などで用いているものだっ....
「紅梅の客」より 著者:吉川英治
っと可憐なものに似ている。そしてまた枝を剪ってみると、樹皮下の木目までが、まるで
梅酢で漬けた紅生姜か何ぞのようにしんまでほの紅い。 薄紅梅も薄さによっては悪く....