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「梅鉢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

梅鉢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
煙管」より 著者:芥川竜之介
商、住吉屋七兵衛《すみよしやしちべえ》の手に成った、金無垢地《きんむくじ》に、剣梅鉢《けんうめばち》の紋《もん》ぢらしと云う、数寄《すき》を凝《こ》らした煙管《....
水の三日」より 著者:芥川竜之介
したら、やはり小説めいた感じがした。 猿股を配ってしまった時、前田侯から大きな梅鉢《うめばち》の紋のある長持へ入れた寄付品がたくさん来た。落雁《らくがん》かと....
列車」より 著者:太宰治
一九二五年に梅鉢工場という所でこしらえられたC五一型のその機関車は、同じ工場で同じころ製作さ....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
太夫座の楽屋。上手に役者たちの部屋部屋の入口が見える。その中でいちばん目立つのは梅鉢の紋の付いた暖簾のかかった藤十郎の部屋である。真ん中に楽屋番の部屋がある。下....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
老女「はい」 と鶴の一声で、忽ち結構なお料理が出ました。水飴を棄ると、お手飼の梅鉢という犬が来てぺろ/\皆甜めてしまいました。それなりに夜に入りますとお庭先が....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
て白洲を立てられました。 三十九 此の日は筒井和泉守様は、無釼梅鉢の定紋付いたる御召御納戸の小袖に、黒の肩衣を着け茶宇の袴にて小刀を帯し、シー....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
熱い思いと一緒になって、二人の胸に入れまじった。 やがて、加州の紋じるしらしい梅鉢の旗を先に立てて、剣付き鉄砲を肩にした兵隊の一組が三条の方角から堺町通りを動....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
目に立って昂奮して来るのであった。能の当日になると、夏ならば生|帷子の漆紋(加賀梅鉢)に茶と黄色の細かい縦縞、もしくは鉄色無地の紬の仕舞袴。冬は郡山(灰色の絹紬....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
は、夜目にも冷徹して、水底の細石までが、うろこが生えて、魚に化けそうだ。金魚藻、梅鉢藻だのという水草が、女の髪の毛のようになびいている中を、子供たちが泳いでいる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のとは思われないが、それに附添っている武士が三人あります。そうして馬の背の上に、梅鉢の紋らしいのが見えるところによって見れば、これは、やはりこの街道の神様である....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の中へ立ち上って驚き、驚きながら手をのばして、その提灯を拾い取って見ると、それは梅鉢の紋に、御用の二字……ははあ、加賀様御用の提灯というやつだな…… 道庵は、....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
の虚空蔵堂。―― 清水の真空の高い丘に、鐘楼を営んだのは、寺号は別にあろう、皆梅鉢寺と覚えている。石段を攀じた境内の桜のもと、分けて鐘楼の礎のあたりには、高山....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
紋を、そのままは勿体ないという遠慮から、高山に咲く……この山にも時には見つかる、梅鉢草なんだよ。この印は。――もっとも、一心を籠めた大切な鏨にだけ記したのだから....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
て行くに、お花畑連続す。千島竜胆は紫也。雪間草は白也。小桜草は紅也。兎菊は黄也。梅鉢草、岩桔梗、四葉塩釜など一面に生いて、足を入るるに忍びざる心地す。石原の処に....
果物の幻想」より 著者:小川未明
ぽい木蔭に、霧にぬれている姿は、道ばたの石の間から、伸び出て咲いている雪のような梅鉢草の花と共に、何となく深山の情趣を漂わせます。もとより、これを味うには、あまりに稀品とすべきでありましょう。....