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梅雨晴
「梅雨晴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梅雨晴の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
で、啣《くわ》え楊枝《ようじ》のまま与兵衛を出ると、麦藁帽子《むぎわらぼうし》に
梅雨晴の西日をよけて、夏外套の肩を並べながら、ぶらりとその神下しの婆の所へ出かけ....
「行人」より 著者:夏目漱石
ならなかった。
彼の家を再度|訪問《おとず》れたのは、それからまた二三日経った
梅雨晴《つゆばれ》の夕方であった。肥《ふと》った彼は暑いと云って浴衣《ゆかた》の....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
水蒸気を一パイに含んだ
梅雨晴れの空から、白い眩しい太陽が、パッと照り落ちて来る朝であった。 ちょうど....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
煙のみなぎった野に最後の苦痛をあじわって冷たく横たわった一|兵卒の姿と、こうした
梅雨晴れのあざやかな故郷の日光のもとに悲しく営まれる葬式のさまとがいっしょになっ....
「B教授の死」より 著者:寺田寅彦
てて、平気でそろそろ手術に取りかかった。 葬式は一番町のある教会で行なわれた。
梅雨晴れのから風の強い日であって、番町へんいったいの木立ちの青葉が悩ましく揺れ騒....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
の上なりとも思う存分走って見ようかと思う位い、気が浮き立って来るのである、だから
梅雨晴れという時が、一年中でも一番素晴らしく楽しい時期である、陰鬱な湿気と冷気か....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
鐘に桜花《さくら》の散る弥生《やよい》、青葉若葉の皐月《さつき》も過ぎて鰹の走る
梅雨晴れ時、夏に入って夏も老い、九月も今日で十三日という声を聞いては、永いようで....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
かった……もうそこの茶店で、大人たちは一度|吸筒を開いた。早や七年も前になる……
梅雨晴の青い空を、流るる雲に乗るように、松並木の梢を縫って、すうすうと尾長鳥が飛....
「好日」より 著者:三好十郎
もう! 何てえザマなの? (佐田がボンヤリ二人を見ている) 3 夕
梅雨晴れの午後の陽がカッと照りつけ、底一面、燃えるような緑の輝き。半透明の鮮紅の....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
コーヒー》を啜《すす》りながら、懇談することまた一時間ばかり。鶴子はホテルを出て
梅雨晴《つゆばれ》の俄に蒸暑くなった日盛りをもいとわず、日比谷《ひびや》の四辻か....