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「梠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

梠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
っかく》のようにばさと葉をひろげているきたならしい樹木が五六ぽん見える。あれは棕《しゅろ》である。あの樹木に覆われているひくいトタン屋根は、左官屋のものだ。左....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
てゆくと、誰か知らないがその肩を叩く者があった。はっとおびえて眼をあくと、高い棕《しゅろ》の葉の下に一人の老僧が立っていた。 「お前はあの象の上に乗っている白....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
聴きたまえ」 * リオの、軟微風とはブラジル人の自慢――。 棕花のにおいと、入江の柔かな鹹風とがまじった、リオの秋をふく薫風の快よさ。で今、....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
起きかねて家の者らの気はいに耳を澄ましている。 満蔵は庭を掃いてる様子、姉は棕箒で座敷を隅から隅まで、サッサッ音をさせて掃いている。姉は実に働きものだ。姉は....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
山の手は昔に変りはなかった。谷窪の家には、湧き水の出場所が少し変ったというので棕縄の繃帯をした竹樋で池の水の遣り繰りをしてあった。 帰宅と帰任とを兼ねたよう....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
その代り食物屋の軒電灯の集まっている暗い路地の人影を気にしたり、カフェの入口の棕竹を無慈悲に毟り取ったりした。それがどうやら田舎臭い感じを与えて、かの女に失望....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
くさい、うざうざじゃないかねえ。」「ふふん、仕方が無い、さ。」従妹はぱたん、と棕バタキで蠅を叩いた。 一しきり昼寝して起きて従妹に羊羹を切らせ、おやつにして....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
。 すゞは、中津らが彼女の家へ押し入ってきた時、俊と一郎と三人で隣の馬貫之の棕の張った床篦子の下で小さくなっていた。それを覚えている。たしかに三人だった。寝....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
見するために、その方へ近づいていった。 一人の男が、ぼろを頭の上からまとって棕《しゅろ》の木にもたれて、ふところの奥の方をぼりぼりかいていた。隆夫のたましい....
田舎者」より 著者:豊島与志雄
し、ただでさえ光度の足りない電燈が濛々とした煙草の煙に一層薄暗くなって、大きな棕竹の影のボックスの中は、蓋をとった犬小屋みたいな感じだったが、そこで、彼等は声....
女と帽子」より 著者:豊島与志雄
宵のうち、平賀さんはもう相当に酔っていて、外に出ようとすると、そこに置いてある棕竹の鉢にぶつかってよろけた、ところを、後から送っていった波江さんが、手をかして....
白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
ていることは、前夜あらしに屋外にいたことを語っているし、ステッキはピナン島産の棕製で、鉛を入れて重みがつけてあって、何度も乱打すればストレーカの受けてるような....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
。 「私、どこでも島さえ見つければ、一生懸命に働きますわ。あなたの、|ズボンも椋毛でつくれますわ。それに、珊瑚礁の烏賊刺しは、サモア女の自慢ですもの」 「僕は....
日和下駄」より 著者:永井荷風
。思わず畠違いへ例の口癖とはいいながら愚痴が廻り過ぎた。世の中はどうでも勝手に棕箒《しゅろぼうき》。私は自分勝手に唯一人|日和下駄《ひよりげた》を曳《ひ》きず....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
日、この町の博物館に行って見ました。その博物館に大きな木のお扇子がありました。棕の葉のように大きなお扇子です。そのお話をしてあげましょう。 その大きなお扇子....