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梨の礫
「梨の礫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梨の礫の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
四十日ほども経ったころには、流石|物好きからやり出した僕と雖も、少々この「永遠の
梨の礫」には倦きて来ました。厭気のさしたのを自覚すると、実験をつづけることが急転....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
たことだろう。堪えかねた妾は幾度も、南八丈島の彼の許へ手紙を出したけれど、それは
梨の礫同様で、返答は一つもなかった。 その五ヶ月の間を、妾はどんなに驚き、焦せ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たように思われないでもない。 お銀様はまだ戻って来ない。 迎えにやった庄公も
梨の礫《つぶて》です。お角は、ようやく焦《じ》れったがりました。 そうそうはお....
「蝕眠譜」より 著者:蘭郁二郎
。 ――それが、茲二三ヶ月、いくら手紙を出しても、いくら安否を問うても、まるで
梨の礫であった。 私は、不安になって来た、いままでが、私の手紙に対して几帳面な....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
書いて進ぜる。但し二度は無用じゃ。一度の文で相手の返しがあれば重畳、たといそれが
梨の礫であろうとも、かさねて頼みには参られなよ。うき世のことが煩ささに、こうして....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
くむにも都合はいい。 いまとなって思えば。 仲時がここの加勢を待ったことも、
梨の礫だッたはずである。なおまた六角時信が、京へ返ってしまった急変なども、そのと....