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梵字
「梵字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梵字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
ったんですね。」
俊助は自然微笑が唇《くちびる》に上って来るのを意識した。
「
梵字《サンスクリット》の本ですね。」
「ええ、マハアバラタか何からしいですよ。」....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、一行は大いに喜んで、その豕をかの瓶のなかに封じ込めて、木の蓋をして、上に大きい
梵字を書いた。それが何のまじないであるかは、誰にもわからなかった。 あくる朝に....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
た。 広々とした稍小高い丘に大小取交ぜ数百基の墓石が不規則に押並んで、その間に
梵字を書いた卒塔婆の風雨に打たれて黒ずんだのや未だ木の香の新しいのなどが、半破れ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
「是生滅法」、一本には「皆滅々己」、今一本には何とか書いてある。其上にはいずれも
梵字で何か書いてある。
「お寺は東覚院ですか」
「否、上祖師ヶ谷の安穏寺です」
....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
って落ちて来た一刀。丈余の卒都婆《そとば》をストリと二つに切って、南無阿弥陀仏の
梵字《ぼんじ》を頂いた「我不愛身命」の残骸が下に、残る所の一面には、「但惜無上道....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ところが、振向け方で、「うぐい」だけ黒く浮いて出ると、お経ではない、あの何とか、
梵字とかのようで、卵塔場の新墓に灯れていそうに見えるから、だと解く。――この、お....
「地水火風空」より 著者:豊島与志雄
朧な仏の立像が、かすかにそれと見分けられる。北に廻ってみると、円柱の面にいきなり
梵字で「キャ・カ・ラ・バ・ア」と五字刻んである、アの字の下半分が磨滅して、古色蒼....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
終っている。もっとも「アビラウンケンソワカ」という咒文はない。その咒文は主として
梵字のようなものと、少数は漢字を当てて書かれており、これにフリガナがついているの....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
、それが海賊になったのには、いうにいわれぬ事情があったらしい。 海賊船は
梵字丸 郡上平八が隠居せず、立派な与力であった時分、その豪快な性質を愛し、二、....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
向いて、彼には稀らしいくらい、神経的な訊き方をした。 「何んとなく僕には、これが
梵字のように思われてならないのですが」 「明らかにそうで御座います。これは、※)....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
を見ると
「開けんでも、わかっとる」
益満は、土を払って、箱の上の文字を見た。
梵字《ぼんじ》が書いてあって、二人にはわからなかったが、
梵字だけで十分であった。....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
らせる。できたセンベイを重箱につめて、辻に立って、 「東西々々。チョーセイ元祖の
梵字センベイ。わけのわからない字のようで、わけのわかる字もある。わけのわからない....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、主として剣を使うに当たっての礼と作法を説いたもので各条の下半分はシッタンという
梵字で書かれたダラニ様のものであった。ダラニの末尾は全て「ソワカ」という言葉で終....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
く灰となってしまったが、この門前の椿岳|旧棲の梵雲庵もまた劫火に亡び玄関の正面の
梵字の円い額も左右の柱の「能発一念喜愛心」及び「不断煩悩得|涅槃」の両|聯も、訪....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
と申します。それが日本には非常に古い物があります。今のインド人は日々用いつつある
梵字は知っているが昔の
梵字は知らない。然るに発掘品から見ると昔の
梵字は日本に伝わ....