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「棄児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

棄児の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
』一月号二三二頁)。ランドの『安南民俗迷信記』に安南にもかかる迷信行われ、※鬼が棄児の泣き声など擬《まね》して道行く人を虎のある所へ導き殺し、殊に自分の親や子の....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
己が拾児だと、何ういうわけでお前そんな事を」 婆「知らなくってねえ、此の土地の棄児だものを」 長「そんなら己は此の湯河原へ棄てられた者だというのかえ」 婆....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の名であった。 久さんに一人の義弟があった。久さんが生れて間もなく、村の櫟林に棄児があった。農村には人手が宝である。石山の爺さんが右の棄児を引受けて育てた。棄....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
俺《おら》が生れ土地はどこだか知らねえ」 「ホホ、生れ土地を知らないの」 「俺、棄児《すてご》だからな、物心《ものごころ》を知らねえうちに打棄《うっちゃ》られた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りだけを泣かして置くという親には、親としての因縁がなければならぬ。つまり、これは棄児《すてご》なのでした。 すでに、どのくらいの時間の前であったか、この松の木....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ります。与八こそは、全く世の謂《い》うところの教育せられない民でありました。彼は棄児《すてご》ですから、家庭の教育というものがありません。机の家へ拾われてから、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
すと、そこで絶え入るような子供の泣き声が足許から聞えるのでありました。 「おや、棄児《すてご》か知ら」 お銀様は、まさに近い所の路傍の闇に子供が一人、地面《じ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
じゃねえ、拾われて来たんでございます」 「拾われて……そうするというとお前さんは棄児《すてご》かい」 「ああ、棄児なんでございます」 「おやおや、どこへすてられ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るくらいのものに於て、出所のなごやかなるは極めて少ない。いずれは孤児であるとか、棄児《すてご》であるとか、そうでなければ、身たとえ名門良家に生れたにしてからが、....
化鳥」より 著者:泉鏡花
したので、供の女中が口を出して、どうするつもりだって聞いた。母様もまた傍からまあ棄児にしては可哀相でないかッて、お聞きなすったら、じいさんにやにやと笑ったそうで....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
の謹直家だからもちろん実子ではあり得ない。では養子だろうというに、そうでもない。棄児《すてご》かといえばこれまたしからず。じゃあ何だということになると、実は何で....
馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
ました磯九郎という男だの、角太郎が妻の雛衣の投身せんとしたのを助けたる氷六だの、棄児をした現八の父の糠助だの、浜路の縁談を取持った軍木五倍二だの、押かけ聟の簸上....