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「棄権〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

棄権の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なったが、すずき一片が金十七円也。これではどうしても手が出ないと、うちの隣組では棄権。せっかくの晴彦の誕生日も、これでは魚を祝ってやれない。そこでこの前買ってお....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
ったので、本当の一人天下で当選したのだ。そしてこの選挙にもう一つの面白い現象は、棄権者が全有権者の半分以上もあったことだ。近郊と言えば大がいは労働者町なのだ。フ....
社会時評」より 著者:戸坂潤
る哉、出席教授二十一名の内、賛成十四票、賛成でもなく不賛成でもなくそうかと云って棄権でもない処の白票が七つ、という結果になって了った。規定の四分の三の賛成者を得....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 果して、この初一番の花籠を、御簾の間の床に置いて来られるか、あるいは途中で棄権して逃げてかえって来るか――待っている十人の子供は固唾《かたず》をのんで、さ....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
れない。いつか須田町で乗換えたときに気まぐれに葉巻を買って吸付けたばかりに電車を棄権して日本橋まで歩いてしまった。夏目先生にその話をしたら早速その当時書いていた....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とも悪い敵たることである。しかしそれらの多少りっぱなフランス人らのうちには、ある棄権的な精神が、不思議な見切りの心が存在していた。――クリストフはそれのさらに痛....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いし、また実際行動のさまざまな不快を忍ぶだけの、図々しさも武装した心もないのだ。棄権したほうがずっとよい。甘んじて悪を忍ぶよ。が少なくとも、悪に自分の名を連ねた....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
けの選手が現れなかろうと思うのが至当な稀有な場合である。 この決戦を平然として棄権させた日本水聯の愚行は論外である。結果はマーシャルが不振のために救われたよう....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
この選挙に立たされそうでね。郷里の有志にしつこく推されてるんだ。青年層の七割まで棄権するそうでね。ぼくがでると、その半分ぼくに入れる、まア、棄権防止さ」 いき....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
するための選挙が国民の義務であり得るはずはない。いわんや、このようなむだな投票を棄権したからといつて、私は毫もおのれの良心に恥ずるところはない。むしろ、日本国民....
選挙漫談」より 著者:黒島伝治
。丁度、秋蚕の時分だし、畑の仕事もある。そこで、一文にもならないのならば、彼等は棄権する。二里も三里もを往って帰れば半日はつぶしてしまうからだ。 金を貰えば、....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
っていると、食った者は死んでしまう。 「ヤ。女房に限らず、拙者も本日の特別料理は棄権いたそう」 「ジョ冗談じゃないですよ。よその料理人の一時間の仕事を私は三時間....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
沫《みずしぶき》をあげながら、鮎子さんとトクさんが到着する。芳衛さんだけは途中で棄権して、ゆっくりと平泳《ブレスト》で泳いで来る。 筏のまわりに、今日は一人も....
妾宅」より 著者:永井荷風
根ざした思想の濫觴《らんしょう》を鑑《かんが》み、幾時代の遺伝的修養を経たる忍従棄権の悟《さと》りに、われ知らず襟《えり》を正《ただ》す折《おり》しもあれ。先生....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
い。ベエコンの場合では、そのような無考えなヒロイズムが必要なのではなかった。ただ棄権する、それだけで充分だったのである。たとえば、棄権したために女王を怒らせたな....