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棍棒
「棍棒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
棍棒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
槍《やり》に似ているのは基督教《キリストきょう》の教える正義であろう。此処に太い
棍棒《こんぼう》がある。これは社会主義者の正義であろう。彼処に房のついた長剣があ....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
頼《ほうとうぶらい》の兄が、父にたびたび無心をした揚げ句、父が応ぜぬのを憤って、
棍棒を振って、打ってかかったのを居合せた弟が見るに見兼ね、
棍棒をもぎとるなり、兄....
「世相」より 著者:織田作之助
て来たものの、屠殺の方法が判らんちゅう訳で、首の静脈を切れちゅう者もあれば眉間を
棍棒で撲るとええちゅう訳で、夜更けの焼跡に引き出した件の牛を囲んで隣組一同が、そ....
「鎖工場」より 著者:大杉栄
中鎖を巻きつけて立っている奴が、ずかずかとそいつのところへ行って、持っていた太い
棍棒で、三つ四つ殴りつけた。近くにいたみんなはときの声をあげて、喜び叫んだ。前の....
「蠅男」より 著者:海野十三
おしてそこから窓の中へ飛びこむ。最後にこの「人造犬」の発明者が現われて犬の尻尾を
棍棒でぶんなぐると、犬を動かしていた電気のスイッチが開き、猛犬は仰向けにゴロンと....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
ば、また兇器の何たるかを示す程の骨折をしたのでもない。この場合恐らくステッキでも
棍棒でも、又花瓶でも木箱でも兇器となり得る。――大月弁護士は日暮時まで、二階の床....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
者。中には仔猫の死骸《しがい》が入っていた。それと赤い紐が一本……。 靴の先と
棍棒《こんぼう》とで、鞄は崖《がけ》を越して海へ。 その鞄は、執念《しゅうねん....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
しまえ、背後《うしろ》から! 鏖殺《みなごろし》にしろ! 三ピンを!」 竹槍、
棍棒、道中差し、得物をひっさげた百人あまりの乾児、ワーッとばかり鬨の声を上げた。....
「火星探険」より 著者:海野十三
えたばかりか、こんどは手に手に異様な棒を持っている。 先が丸く膨《ふく》らんだ
棍棒《こんぼう》みたいなものである。そればかりではない。彼らは高い櫓《やぐら》の....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
打撲傷による出血と認められる青黒い大きい汚点が幾カ所も残っていた。胸とその周囲は
棍棒で殴打されたように見られた。ほかに怖ろしい引っ掻き疵もあって、糸のごとく、ま....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
くと、老いたる尼が邪魔をしたので、彼等は尼を満州政府と見做し、頭の上に少からざる
棍棒と鉄拳を加えた。尼は彼等が帰ったあとで気を静めてよく見ると、竜牌はすでに已に....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
知れた喧嘩だ。 「なるほど、喧嘩というやつは見苦しいわい」 と、豹吉は呟いた。
棍棒を持った若い警官が五、六人、あわただしく出て来て、駅の方へかけ出して行った。....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
)行われたもののように考えられるのである。この場合の致命傷は多く頭部の打撲傷で、
棍棒かなんかで一撃を加えられたもののように考えられるのだが、実際には何か家具の角....
「活人形」より 著者:泉鏡花
我等は綱、金時、得右衛門の頼光を中央にして、殿に貞光季武、それ押出せと五人にて、
棍棒、鎌など得物を携え、鉢巻しめて動揺めくは、田舎茶番と見えにけり。 女房は独....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
、主人は午前四時頃警察から来たと言って叩き起され、門を開けようとすると、いきなり
棍棒で殴られたんだそうだが――君はその前にやられたんじゃないかな」 「それじゃ僕....